近江米の新品種『きらみずき』はどんな味?
お米のプロに試食してもらいました
近江米新品種プロジェクト#05
2024年にデビュー予定の近江米新品種の名称が決定!3,522件の名称応募と、5,612の投票の結果、名前が『きらみずき』に決まりました!
名称募集や投票の期間中、もっとも多く届いていた声が、「一度、食べてみたい!」というもの。
やっぱり、どんな味なのか?が、一番気になりますよね。しかし、新品種のデビューはまだ先。
ということで、試験栽培で作られたお米を、お米のプロに試食してもらいました!
お米のプロフェッショナル「京の米老舗 八代目儀兵衛」さんに食べてもらう
滋賀県産のお米「近江米」の歴史を紐解くと、古くから京の都でたくさん消費されてきました。
やはり、消費者目線での意見は大事!
ということで、やってきたのは京都で創業230年の老舗米屋「八代目儀兵衛」さん。
お米のプロとして、さまざまな贈答用のお米を販売するほか、家電メーカーとの共同で炊飯器を開発したり、祇園の料亭も自ら手掛けたりされています。
試食いただくのは、社長・橋本儀兵衛さん。代々受け継がれてきた「儀兵衛」の名前を、昨年、襲名されたんだとか。さすが、京都の老舗という感じがします。
忖度のないご意見、よろしくお願いします!
プロの意見や、いかに!?
こちらが炊きあがったばかりの『きらみずき』。
写真を見ても分かる通り、粒が大きいのが、この『きらみずき』の特徴です。
それでは、ご試食お願いします!
儀兵衛さん、いかがでしょうか?
「うん。まず一口目の印象としては、すごく滋賀県産らしいお米だな、という感じですね。
しっかりとした食感と、すっきりとした甘さを感じますね。
粒が大きくて、でも、どちらかと言うとサッパリ。
粘りはコシヒカリみたいに強くはないんですけども、でも、切れ味がいいですね。」
なるほど・・・!"おいしい" "おいしくない"だけでなく、さまざまな言葉で食味を表現してくださいます。
「食べ方でいうと、そうですね。例えばですけど、食卓でハンバーグと一緒に食べるとか、トンカツと一緒に食べるとか。そういった洋食に近いものや、お肉料理も合いそうですね。
粒が大きいだけに、丼物にも良いですね。いろいろな料理に合いそうなので、家庭で食べる分には、幅広く対応できるんじゃないかな、と。そんな風に思います。」
粒の大きさがこの新品種の特徴のひとつだと思いますが、それは、どう感じられますか?
「粒の大きいお米は、最近の主流でもありますね。
やっぱり僕らもそうなんですけど、食べててインパクトがあるんですよ。いわゆる充実感ですよね。
口に入れた時に、粒の小さいお米よりかは粒の大きいお米の方が、咀嚼していく中での満足度が高いと思います」
「お米ってオールマイティみたいなイメージがあるけど実際は、お米にも個性があって。
やわらかいお米をお寿司にしても美味しくないように料理に適したお米の特徴ってあるので、そういった意味でもこのお米は、どちらかと言うと洋食に合うっていうような形でしょうか」。
滋賀県産らしいお米って何?
ところで、最初の印象として、"滋賀県産らしいお米"ということでしたが、
滋賀県産らしいって、どういう意味なんでしょうか?
「滋賀県って、もともと『日本晴』という品種が有名な土地。
このお米は、日本のお米の基準米として採用されてきたんです。
それくらい、日本人にとってスタンダードなお米を作ることができる産地なんです」。
「京都の老舗料亭では、近江米のことを"江州米(ごうしゅうまい)"とも言ってとても重宝されてますよね」。
そういえば、お米の味や評価は、うまく言語化されてないようにも感じます。それは、なぜなんでしょう?
「お米って日本人にとって当たり前な存在すぎて、
これまでお米を美味しく食べるためのルールや工夫が世の中に浸透してこなかった。
だから、味についてもそこま言及されることはない。
米業界が抱える課題はそこにあると思ってます」。
「農家さんは米を作って終わり、販売店は売って終わり、
消費者もなんとなく昔からのやり方で、米を選んで炊いている。
米の研ぎ方ひとつにしてもそうで、親から教えてもらったのか、テレビで見たのか、曖昧な情報が流れてる中で、お米ってそんなもんでしょみたいなのが今の現状。
僕らはきちっと正しい情報を発信することで日本人の米離れも解決していきたいと思ってるんです」。
今回、実施しているプロジェクト、『みらいにつなぐ近江米』も、想いとしては一緒です!
ぜひ今後も、近江米を一緒に盛り上げさせてください!
美味しいお米の炊き方って?
あと、今日はせっかくお話を伺ってるので、できれば、家庭でできる、
美味しいお米の炊き方も教えてもらえませんか?
「精米の仕方であったりとか、炊き方とか、
すべての工程がきちっとされてこそ美味しいご飯になるんですけど・・・」
あえてそこを、一点だけに絞るとしたら、どうでしょう?
「研ぎ方ですね。研ぎ過ぎない、ということ。水交換は3回、研ぐのは1回みたいな。詳しい話は、だいぶ長くなるのでぜひ、YouTubeチャンネルをやってるので、そちらを見てください(笑)」。
滋賀のお米の未来はどうなる?
今回誕生したお米『きらみずき』は、"みらいに近江米をつなぐ"ということが、コンセプトの一つになっています。
八代目儀兵衛さんの、近江米への期待などあれば教えてもらえませんか?
「地域がもつポテンシャルは、非常に高いと思ってます。
滋賀県の農作物全般にいえることですけど、やっぱり琵琶湖っていうものがあるから、
環境に関して非常に関心が高い」
「いまの時代、環境保全型農業の取り組みが増えているし、国もオーガニックの方向へ舵をきりつつある。
そのなかで、滋賀県はそういった取り組みが進んでいる県なのかなと思っています」
『きらみずき』も、今後、栽培される際は、オーガニック栽培など、
殺虫殺菌剤や化学肥料を使用しない厳しい基準下でつくられる予定。
滋賀ならではの環境に配慮したお米。
近江米新品種『きらみずき』は、2024年秋に本格デビューが予定されています。
楽しみですね!