産地レポート2 忍葱
太い!うまい!忍葱(しのぶねぎ)は甲賀の野菜のエースです!
主役になれるねぎです!
JAこうか水口露地野菜部会の徳地好雄さんは、有限会社るシオールファームの会長として、忍葱の生産拡大に尽力してきました。
「4年前、うちの会社に滋賀県立農業大学校を卒業された方が来られて『白ねぎが人気ですよ』と勧めてくれたんです。そこで安土の『信長ねぎ』を取り寄せて、栽培してみました。安土で作ると見栄えが良くなるのですが、土壌が違うからかこちらではさらに太くなって、ごつごつしたんです。そこで忍者の里甲賀にあやかって『忍葱』で売り出しています」
味が良いと忍葱は大評判。名古屋や関東からも引き合いが来るようになりました。
「バイヤーは『白ねぎはいくらでもある、特色のあるねぎがほしい』と常々言っていました。そのニーズにぴったりなんです。太い部分はとろっとして甘みが強いんです。焼いて食べるのが一般的ですが、シチューに入れてもおいしいし、和洋中で使い道も広いんです。ボリュームもありますし、薬味やわき役ではなく、主役になれるねぎですね」
今、生産者は25人。作付面積は広がりつつあります。
儲かる野菜をどんどん作りたい!
ねぎの栽培は4月に始まります。
「4月に種まきをし、6月に定植(苗床から畑に苗を移すこと)します。V字型に掘った畑に苗を植え、しばらくすると土を盛ります。ねぎは土に隠れている部分は白くなるからです。梅雨から9月までは何もしませんが、秋になると何回かさらに土を盛ります。最初はこの回数が分からなくて試行錯誤をしましたが、今は5~6回土を盛って、白い部分を太く長くしていきます。そして11月後半から出荷です。夏場の草取りが大事ですが、作業は全部機械でできますから、効率は良いです」
出荷場では機械で皮むき、裁断をしています。
「忍葱は人気がありますし、収益性が高いのでどんどん作りたいところです。でも、私たちだけでは手が回りません。仲間を広げて忍葱の名前をもっと広めていきたいですね。
農業は、作業が大変な割に儲からない大変な仕事だと思われがちですが、人々が喜んでくれる作物をしっかり作れば、若い人にでもやりがいのある仕事になります。これからも、美味しくて付加価値の高い野菜をどんどん作って、若い人とともに農業を盛んにしていきたいですね」
取材地(甲賀市水口)の観光施設
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JAこうか JAグリーン花野果市
近江茶などを販売しています。
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みなくち子どもの森
里山の自然環境を生かし、子どもたちが自然のすばらしさや命の大切さを学ぶことができるように作られた公園です。広い園内には自然をテーマとした博物館「自然館」、体験農場、昆虫広場、花の森、森の広場などの...
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江戸時代初期、徳川幕府によって指定された東海道の宿場です。古城山の南に町並みが形成され「街道一の人とめ場」と言われました。名物に葛藤細工、干瓢がありました。現在も町内随所に点在する名所旧跡にその・・・
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