産地レポート
とれたてのタラの芽のおいしさ、まさに早春の味です。ぜひ召し上がってください!
温度管理に気を使いながら育てる
タラの芽とは、タラノキという落葉樹の新芽のこと。日本では薬用、食用に古くから食べられてきました。
滋賀県東近江市永源寺地区では、タラの芽をビニールハウスで栽培し、出荷しています。
「タラの芽は、天然の物は桜の咲くころに新芽が出ます。露地ものはそれを摘んで出荷しますが、ひと足早い春を感じてもらうため、ビニールハウスで芽を育てています。12月ごろ、浅い水の張ったカゴに切った株を浸け、芽を育成し始めます。これを『伏せ込み』といいます。収穫は、1月から3月まで。
ビニールハウスは温度管理が大切ですね。暖かすぎると芽が成長しすぎますし、寒すぎると伸びない。気を使いますね」
タラの芽生産者の寺田幸雄さんは話します。
栽培は手探り、ようやく出荷にこぎつける
この地域でタラの芽の栽培を始めたのは2年前のことです。
「農閑期に作る付加価値の高い作物だということで、地域の皆さんとともに作り始めました。
初めてですから何もかも手さぐりでしたが、2年目にようやく出荷することができました。
お陰様で評判も良いので、生産量を増やそうと思っています」
サイズや、形、品種にもこだわる。
タラの芽は、一つの駒木(こまき:育成のために細かく切断した枝)に一つしか成りません。しかも、成長しすぎると食用には向かなくなります。手間がかかる割に、生産性が上がらない作物でもあります。
「品種もたくさんあるんです。よく見ていただくとわかりますが、とげがたくさんあるものと、とげがないものがあるでしょう。これは違う品種です。味も違いますし、生育の仕方も違います。ようやくこの気候に適した品種もわかりました。大きさは、出荷する先によって違います。出荷先に合わせてサイズも変えていきます」
鮮度を保持して出荷する、新鮮な早春の味
タラの芽は、一つ一つ手で丁寧に収穫していきます。この時、「はかま」という外側の皮は鮮度を保持するためにそのままにしておきます。
収穫した芽は、一つ一つ形を切りそろえ、サイズを整えてパックに入れていきます。
「取れたてのタラの芽は、えぐみもありませんし、柔らかいです。苦みも強くはありません。天ぷらが定番ですが、ほくほくして本当においしいです。皆さんにもぜひ味わっていただきたいですね」