料理長のアドバイス
北之庄菜ならではの「個性」を引き出しましょう。
近江八幡市「ひさご寿司」 料理長 川西豪志さん
北之庄菜は滋賀県の伝統野菜の一つです。そのままかじると、甘さも辛さも苦さも鮮烈です。北之庄菜だけでなく、伝統野菜は、一般に流通している野菜よりも、アクが強く、味がとんがっています。こういう野菜との付き合い方は3つあります。
1) 湯がいてアクを抜く
北之庄菜のアクは水溶性ですから、湯がくだけで無くなります。ビタミンなども水に溶けだしてしまいますが、ミネラル分は残ります。
湯がいて食べれば、食べやすくなります。
2) 個性の強い食材と合わせる
肉や魚など味の濃い、個性の強い食材と合わせると、個性が引き立ち、アクが気にならなくなります。
北之庄菜をおろすときは、皮はむかずにそのままおろします。大根などとは全く違う濃厚な美味しさが楽しめます。
3) 発酵させる
発酵させて漬物にすると、酸味、香りが加わって味の角が取れて食べやすくなります。ご飯にもぴったりです。
北之庄菜は、カブの仲間です。カブは各地に固有の品種がありますが、その土地のカブを食べると、その土地の味わいがします。
こうした地元の個性を生かした料理を大事にしていきたいですね。