産地レポート

トップページ産地レポート12月の特集 万木かぶ 産地レポート

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万木かぶ

三尾里地区で万木かぶを栽培している、前川美智子さん
鮮やかな紅色と、味わい、万木かぶは知る人ぞ知る「滋賀の逸品」です。

この土地でしか採れない逸品

万木(ゆるぎ)かぶは、滋賀県高島市安曇川町西万木が原産のかぶで、風味、味わいの良さで評判の滋賀県の味です。

万木かぶ

前川美智子さんは、三尾里(みおざと)地区で万木かぶを栽培、出荷している生産者の代表です。
「三尾里の加工グループは集落の女性達のグループで、26年前より万木かぶを栽培しています。種取りから播種など、栽培の作業は全てグループ員で行い、収穫後は漬物に加工して地方配送などをしています。
万木かぶはこの地域で作るときれいな紅色になります。土壌との相性が良いのでしょうね」

万木かぶ

万木かぶは、表皮は紅く、果肉はまっ白で茎も白いのが特徴です。
「漬け上がると中まで紅色に染まり、柔らかすぎず、固すぎず、歯ごたえの良いのも特徴です。収穫した万木かぶは、きれいに洗い、はさがけをして冷たい風でしんなりとするまで干します。それからかぶの身に葉を巻きつけて、加工グループの特製調味料と一緒に樽に漬け込み、約20日~1か月位しっかりとした重石をかけますと美味しい漬物が出来上がります。かぶも美味しいですが、葉っぱも細かくきざんで召し上がってください。美味しいですよ」

万木かぶのお漬物ができるまで。

万木かぶのお漬物ができるまで。

冬の足音が聞こえる頃になると、全国の愛好家から待ちかねていたかのうように、注文が届きます。
「年内は、ご注文いただいた方への出荷でほぼ終わります。鮮やかな紅が縁起が良いと、お正月に出される方が多いようですね。贈答品としても使っていただいていますが、贈られた方から注文が入ったりして、販路が広がりました。年明けから一部市場にも出しますが、数は限られています」

万木かぶのお漬物

地域の人々の「心」で守り伝える

この日も、加工グループの皆さんが集まって、漬けこみの作業をしています。
「おかげさまで、漬物は大変好評をいただいていますが、出荷量はこれ以上増やせないのが残念です。グループの皆さんもだんだん高齢化が進み、作付面積も昔は130aほどあったのですが、今は半分ほどになりました。
万木かぶは、9月に種をまいて11月に収穫して12月半ばまで漬け込み作業をしますので、今の時期は毎日忙しく働いています」 今回ご紹介をした糠漬けや、葉を落としたかぶを甘酢に漬け込む甘酢漬けが人気の万木かぶですが、産地の皆さんは、違う食べ方もしています。 「万木かぶを薄く切って、昆布、ゆずの皮と一緒に浅漬けするんです。私たちは『あちゃら漬け』と呼んでいますが、しゃきしゃきしたかぶの食感が残って、これもおいしいですよ」

万木かぶのお漬物

まさに、この土地でなければ味わえない味覚。万木かぶは、安曇川の土と、気候と、人々の丹精が作った滋賀県の「宝物」と言っても良いのではないでしょうか。

加工グループの皆さん

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