種類、解釈はいろいろ
やまいもはヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草で、その塊根のことをいいます。もともとは日本原産、学名「Dioscorea japonica」の自然薯(ジネンジョ)または自然生(ジネンジョウ)を指し、そのルーツは米やじゃがいもよりも古く、縄文時代から食べられていたといわれています。最近では、これら自然薯だけでなく、スーパーなどで見かける長いもも、「やまいも」「とろろいも」と呼ばれています。
オリジナル!秦荘のやまいも
自然薯、長いも、銀杏いも、大薯、つくねいもなど、数多い「やまのいも」の中で、秦荘のやまいもは、つくねいもの一種、伊勢いもの仲間。約300年前、伊勢参りのお土産にと持ち帰られた伊勢いもがルーツです。ゴツゴツでこぼこは同じでも、げんこつ型の伊勢いもが、近江の土と気候風土の中で改良が加えられて今日のさつまいものような形になったといわれています。「秦荘のやまいも」の特色は、なんといってもその粘り!お箸で持ち上がり、お好み焼きに入れてもなかなか混ざらないほどの強い粘りは、数あるやまいもの中でもトップクラスです。
栄養豊富な優れもの
中国では「山の薬」、日本でも「山のうなぎ」と呼ばれ、ビタミンB1(※1は小さく)、ビタミンC、カルシウム、カリウムなどが豊富。腸内をきれいにする食物繊維、消化と吸収を助けるアミラーゼ、抗酸化作用や肝臓の健康を促進するサポニン、高血圧、動脈硬化の予防に効果的なコリンも豊富。最近の研究では、ジオスニゲンという若返りホルモンが含まれていることもわかりました。昔から滋養強壮に、とろろかけごはんやとろろ酒で体をいたわってきたのは、先人の知恵なんですね。
食べ方いろいろ
冷暗所なら常温で保存できます。新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れておけば7~8カ月は大丈夫。
食べ方は、まずはぜひ生で。すりおろしてとろろいもに、短冊にしてわさび醤油やポン酢でいただくのもお勧め。地元では、精進料理としてシイタケ、ニンジン、やまいもの3種を塩だけで炊いた炊き合わせのほか、ユリ根の代わりに白和えに入れたり、すりおろして板海苔に塗って揚げてかば焼きだれを付けて食べたり、スライスして油で揚げて「やまいもチップ」にしたり......と工夫されています。
生産者:若林三代子さん