料理長のアドバイス
鮮やかな緑と鮮烈な味わい、小松菜をぜひ食卓に取り入れてください
雄山荘 総料理長 森 順一さん
小松菜は「鮮度が命」ですね
20年ほど前になるでしょうか?東京で生野菜の料理が流行していた時に、小松菜と出会って、滋賀県でも紹介しました。初めのうちはそれほど受け入れられませんでした。当時は関西ではなじみがない珍しい野菜だったのです。それから徐々に普及していきました。
昔は炊くか、炒めるか、いずれにしても加熱して食べるのが普通でしたが、最近は若鶏と一緒にサラダ風にするなど、生で食べることも増えてきました。
私の旅館では、敷地の一角に自家菜園を設けています。ここで小松菜も栽培しています。でも、量的には足りないので、大津市内で栽培している方から仕入れています。
100%滋賀県産の小松菜です。
やはり、生で食べることもあるので鮮度が大切です。できれば、朝採りのものをご提供したいと考えています。
鮮やかな緑を残すためにしっかり色止めをしましょう
調理の上で大切なのは、鮮やかな緑をきれいに出すことです。加熱しすぎると濁った黒っぽい色になってしまいます。
小松菜を湯がいたら、色が残っているうちにあげて冷水にさらすと、鮮やかな色目が残ります。これを色止めと言います。こうしておくと、食感も残ります。
緑の色が残っているだけで、食欲もそそられます。ぜひ、お試しください。
もちろん、よく炊いてしんなりした小松菜も美味しいものです。料理に合わせて使い分けてほしいですね。
良い小松菜は、軸と葉っぱがしっかりしていて、葉の隅々までぱりっと立っています。そういうものを選んでください。
小松菜は生食から煮物、炒めものまでいろんな食べ方ができますが、個人的には湯豆腐に小松菜を入れるのが好きですね。しんなりしたらポン酢でいただきます。独特の味わい、香りをたのしむにはシンプルな調理が良いのです。
小松菜は鉄分、ベータカロチン、カルシウムとビタミンCが豊富な野菜です。ぜひ食生活に取り入れてください。