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じゃがいも~訪ねた人 草津市「田渕農場」田渕竹男さん~

ポテトチップスとカレーそれぞれに適した2種類のジャガイモ

「田渕農場」田渕竹男さん

仕事の少ない時期にピッタリ入った依頼

草津市で農業を始めて14年になる田渕竹男さん。約65ヘクタールの圃場のうちの約3ヘクタールを使って、加工用の「トヨシロ」と青果用の「アンデスレッド」の2種類のジャガイモをつくっています。「5年前にスナック菓子メーカーから声をかけていただいたことがきっかけです。ジャガイモづくりは難しいと聞いていたのですが、いい機会だし工夫してやってみようかと父がメインとなってつくり始めました」と、田渕さんは振り返ります。それまで長く米や麦や大豆などをつくってきましたが、圃場全体で7月ごろの仕事量や収穫物が少なかったこともあり、依頼を受けたそうです。

田渕さんがつくっているジャガイモは、3月中旬に定植を行い6~7月に収穫する春植えのもの。3ヘクタールのうち2.9ヘクタールで「トヨシロ」をつくっており、年間80トンほどを直取引でスナック菓子工場に出荷しています。「毎年定植の時点で収穫単価の契約をしています。定植の時点で単価が決まっているので経営基盤の安定化につながっています」

花を咲かせるジャガイモ綺麗な花を咲かせるジャガイモ。マリー・アントワネットはジャガイモの花を好み、髪飾りにしていたという説も。

加工用と青果用、求められるものに違いあり

加工用ジャガイモを熱心につくる一方で、田渕さんが青果用ジャガイモに取り組み始めたのは3年前のこと。奇抜な紫色が特徴の「シャドークイーン」、小粒でさつまいものような食感が特徴の「インカのめざめ」など、様々な青果用ジャガイモを試験的につくった結果、この地の気候に合い採算ベースに乗ってくるのが「アンデスレッド」だと分かりました。こちらは市場を通して県内のスーパーで販売されています。

そんな2種類のジャガイモ、それぞれ異なる目的に応じた特徴があります。分かりやすいのは糖分の含有量。加工用の「トヨシロ」は、糖分が多いと揚げたときに焦げるため糖分が少ないのが求められ、青果用の「アンデスレッド」は糖分が程よく入ったものが求められると言います。

育て方に大きな違いはありません。ジャガイモは光に当たると毒素のある芽を出すため、培土で芋を覆うようにしながら育てます。培土をしたあとに雨で土が固まると、収穫時に土が砕けず、芋を掘り起こす作業が大変になるため、天気を見ながら培土の時期を見極めつつ圃場を少しでもいい状態に保ちます。細かい管理は収穫後にも。「特に青果用のアンデスレッドは出荷前に自分で袋詰めまでしなくてはいけないのですが、発芽しないよう手早く行って暗いところに移すことを心掛けています」

白い芋が加工用の「トヨシロ」赤い芋が青果用の「アンデスレッド」ジャガイモを手に取る田渕さん。右手に持っている白い芋が加工用の「トヨシロ」、左手に持っている赤い芋が青果用の「アンデスレッド」。取材時では生育の途中だったので、これから大きくなるとのこと。

田渕さんのジャガイモ圃場田渕さんのジャガイモ圃場は元々水田だったため、排水対策として水稲ではなく麦・大豆あとにジャガイモを栽培しています

滋賀のジャガイモを手にとってもらえたら

青果用の「アンデスレッド」は、加熱するとホクホクした食感が楽しめるのが魅力です。田渕さんのおすすめは夏野菜カレー。「中身は普通の芋と同じような色なのに外の皮が赤い品種ですので、皮を生かした食べ方が良いと思います。色合いも皮の食感も楽しめますから」

ジャガイモは、5月に九州で収穫が始まるのを皮切りに収穫地域が次第に北上していき、約80%の国内シェアと圧倒的な生産量を持つ北海道が最後に収穫期を迎えます。青果用の場合、北海道産のものが並び始めると値崩れが始まるため、それまでが勝負だと考えており、収穫してすぐに出荷することを戦略のポイントにしています。「ジャガイモをつくってまだ5年ですが、味だけでなく、どのように売るかというPRに関しても工夫していきたいと思いますし、そこにやりがいを感じています。もし滋賀県産のジャガイモを見つけた際には手にとって応援していただけたら嬉しいです」

今後の農場のあり方を話す田渕さん今後の農場のあり方を話す田渕さん。「田渕農場」の法人化を視野に入れているそうです

アンデスレッドを使った夏野菜カレーアンデスレッドを使った夏野菜カレー。赤い皮がカレーに彩りを加えます

収穫したてのジャガイモ

収穫したてのジャガイモ

取材後、収穫したてのジャガイモの写真を田渕さんに撮影していただきました。取材した時と比べて、とても大きくなりました!

(取材日:2020年6月10日)

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