産地レポート

丹精込めて育てたバラを手にする杉本さん

産地レポート
バラ

バラ

~訪ねた人:杉本ばら園 杉本さん~

バラの花言葉は『愛』や『愛情』。
贈った人に喜びを!!

丹精込めて育てたバラを手にする杉本さん。

「三位一体」1本でも絵になる高品質のバラづくり!

1700坪の敷地に約30品種のバラを栽培されている、竜王町の「杉本ばら園」。室温は25度、湿度は60%超のハウスに入った途端、目に飛び込んできたのは、2mを越えるほどに茂ったバラの枝葉。

バラの葉が茂っているハウスいきいきとしたバラの葉が茂っているハウス内。

      

「ハイラック方式という栽培方法で、これで育てているのは全国のバラ農家の中でも1割ぐらい。」バラの木々の間に立つ杉本正樹さんが、葉の様子を見ながら教えてくださいます。なんでも、葉をよく観察することで、適度な管理ができているかどうかがわかるのだとか!

      

「気候には敏感に反応しますよ。近隣ですと守山市でもバラ栽培をされていますが、竜王町と守山市では緯度が少し違うので、日照時間が少し違って育ち方も違うんです。」

      

杉本さんは「温度計よりも体感重視!」
微妙な気候の変化をとらえ、ハウス内の環境調整や肥料の調整をこまめに行います。

温度計はぴったり25度 杉本ばら園を継いで13年目の杉本正樹さん(左)環境管理が肝心。温度計はぴったり25度。
(右)杉本正樹さん。杉本ばら園を継いで13年目。

      

出荷のための"採花"は朝。
「ガクが開ききって、花びらも膨らんだくらいのものを選ぶ。採花の方法も365日違います。」採花後、時間の経過とともに少しづつ花びらが開いていくのですが、採花のタイミングが早すぎると咲ききらないのだそう。気候や状態を見計らって、花にとって最も負担にならないよう採花されています。

白いつぼみは、まだ採花時期ではない状態 このぐらい開いてきたら、もうじき採花(左)この白いつぼみは、まだ採花時期ではないのだとか。
(右)このぐらい開いてきたら、もうじき採花。

      

杉本さんの目指すバラは「三位一体」!
「花、葉、茎のバランスがとれていて、1本で美しさがある花」

      

それは、お隣の京都とのつながりから生まれたスタイルなのだそう。
「バラは『洋花』で花束のアレンジが中心ですが、京都は生け花の『和花』の世界」
そこでは1本が醸しだす美しさが活きてくるのだとか。
1本1本、存在感あるバラを栽培できる「ハイラック方式」での栽培には、そんな追求が背景にあります。


大輪のイングリッシュローズ

      

杉本ばら園のバラは、「日本バラ切花品評会」にて幾度も入賞。
最優秀賞である内閣総理大臣賞受賞にも輝き、皇室への献上回数は通算4回。
日本でも最多の回数を誇るのだとか。

      

栽培技術の高さから、イングリッシュローズの切り花栽培のライセンスを認められました。
なんと国内での認可者は2名のみ!

      

「花びらの数は普通のバラの3倍。満開になると鞠のような形になります。でも、開きすぎてしまうと花びらに傷が付きやすいんです」
と、そんな希少なバラを見せていただきました!

「一輪でも存在感があるでしょう」と杉本さん。
確かに思わず見とれる存在感、見ているだけでも幸せな気分。

イングリッシュローズ 大輪の花を引き立てる(左)切り花栽培者は国内に2名というイングリッシュローズ。
(右)葉の美しさもまた、大輪の花を引き立てている。

日本の環境は梅雨時の湿度上昇、冬場の乾燥など、バラ栽培には不向き。
世界に約4万5000種あるバラの中でも、国内で栽培できるのはわずか4~5000種なんだとか。
「このイングリッシュローズも湿気に弱く、栽培にはより神経を使います。」


男性よ花束を抱け!?贈った人に喜びを与えるバラの花

「日本では日常的に花を買う人は少ないでしょう?特に男性はほとんど買いませんよね」と杉本さん。

今、力を込めたいのは、もっと多くの人にバラがある生活を楽しんでもらえること。

「世界ではバレンタインには男性が女性に花を贈る。
日本でも"フラワー・バレンタイン"としてPRしています。花を贈ると、やっぱり喜ばれるでしょう。」

そういう杉本さん、自らも実践。さらにプロポーズにもバラの花を贈られたとか。

「花を見ることで癒し効果もあると言われている。もらう喜びもあるでしょう。もっと気軽に暮らしの中に取り入れてもらいたい。」

色とりどりのバラ色とりどりのバラは日々の暮らしに彩りをくれる。

「バラの花言葉は『愛』や『愛情』。色によっても意味合いがある。男性には特に、いろんな贈りものの機会に、色でイメージを変えて贈ってもらいたい。花束のイメージの相談や、渡し方の相談にも乗ったりしていますよ。」

日常のささやかなエッセンスに、特別な贈りものに、美しいバラの花を添えてみてはいかが?

(取材日:2013年3月15日)