甲賀市 ユーカリ 農事組合法人酒人ふぁ〜む 林信博さん
豊かな緑と香りに癒される「ユーカリ」
多種多様なユーカリで、家庭に彩りを
〝品種は600を有に超え、葉っぱの形や色、香りはさまざま。10〜3月に収穫・出荷の最盛期を迎えます〟
そう聞いても、すぐにユーカリの姿を思い浮かべられる人は多くないのではないでしょうか。甲賀市水口町でユーカリの栽培に取り組んでおられるのが、農事組合法人酒人ふぁ〜む(以下、「酒人ふぁ~む」という)。酒人ふぁ~むは集落の農家が協力し、農業生産を共同で行っている組織で、その中の女性を中心とした「なごやか営農グループ」がユーカリ栽培をされており、グループをまとめているのが林信博さん。「ユーカリは常緑樹であり、主役の花を引き立てるほか、家に彩りを与えるグリーンの花材として近年需要が高まっています」。
どちらも「ユーカリ」の一つで、品種によって、形も色も千差万別です。
市場の期待に応えるため、これからも続く試行錯誤
現在、甲賀地域ではユーカリの栽培面積2.7ha、年間出荷本数40,000本ですが、栽培が始まったのは約7年前。酒人ふぁ〜むが先頭を切り、現在に至るまで試行錯誤をくり返してきた結果、栽培面積が拡大していきました。
もともと甲賀地域は、年平均気温13度と温暖で、平坦地は排水性の高い土壌。ユーカリは水を吸い上げる力が強いため、湿潤で排水性と日当たりの良い土地での栽培が適していました。また、獣害の被害が少ないことが栽培面積拡大の後押しとなりました。
栽培に適した条件がそろっているとはいえ、600を超える品種があるユーカリ。当然この土地に向いている品種、向いていない品種があります。「ユーカリは生育が早く、2年目に収穫・出荷が可能です。ただ、育ててみてようやく向き不向きが分かるのです。植えて育ててのくり返し。そして約7年を費やして、ようやくこの土地に適した栽培品種が揃ってきました」。ユーカリ栽培は、ほかの農産物に比べ、広い土地が必要であることや管理作業に多くの労力を必要とせず育てることができるという特徴があります。また、多くの労働力を要する出荷作業が、稲作作業が比較的少ない冬季であるため、安定して出荷ができるという利点もあります。だからといって気を抜いてはいられません。嗜好品としての需要が高く、流行り廃りがあるからです。また、リースなどのインテリア装飾として必要なのか、ブライダルブーケに使うのかなど、使われる用途によって、市場からの要望が違ってきます。現在は、6品種を栽培していますが、需要に応じた生産を続けるためには、これからも新しい品種の導入、試作栽培、市場評価の繰り返しといった試行錯誤は続くのです。
露地栽培が主流なので、気づかないうちに目にしているかも。ちなみに写真の木々全てがユーカリです。
見た目の美しさと香りで癒しの効果も
ユーカリは、市場では年間を通して取引されていますが、特に、10~3月に需要が多いことから、甲賀地域ではこの時期を中心に出荷できるよう栽培を行っています。
主に活用されているのは、ブライダルブーケや会場装飾、クリスマス用のリースなど。「葉が落ちにくく長持ちすることや、美しい緑と清涼感のある香りに癒しの効果があるので、家庭に飾るのもおすすめです」と林さん。花にグリーンのユーカリを合わせることで、ボリューム感と彩りを与えてくれます。酒人ふぁ〜むで栽培されたユーカリは、地元の花屋さんやJAこうかの直売所「花野果市」でも購入できます。暮らしに緑を取り入れるきっかけとして、甲賀地域のユーカリを購入してみてはいかがでしょうか。
サイズを整えて出荷されます。最近では、家庭用として、市場から40、50㎝と比較的短いサイズでの出荷の要望も増えているそうです。
フラワーアレンジメントにも活用されます。形や色、香りなどお好みの品種を探してみるのもおすすめです。
(取材日:2025年12月4日)

