産地レポート

トップページ産地レポート草津市 琵琶湖からすま蓮根 田中治嗣さん

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草津市 琵琶湖からすま蓮根 田中治嗣さん

琵琶湖の水が育む冬の幸、レンコン

草津市「琵琶湖からすま蓮根」田中治嗣さん

観賞用から食用へ

滋賀県草津市の北に位置する烏丸半島。この周辺でのみ生産されている「琵琶湖からすま蓮根」をご存じでしょうか。市内の魅力的な農水産物を認証する「草津ブランド」にも選ばれており、11〜3月にかけて収穫されています。

「この辺りでは昔、夏になるとピンクのハスの花がたくさん咲いたんですよ」と教えてくれたのは、生産者の田中治嗣(はるつぐ)さん。

観賞用のハスは、田中さんが幼い頃からあったのだとか。─ここに食用(レンコン)の白いハスの花も咲いたら、より多くの人たちが関心を持ってくれるのではないか。そう思い立ち、レンコンを栽培することに決めたそうです。今では、夏になると白い花々が咲き誇り、人々の目も楽しませています。

極寒の中でも、丁寧に蓮根から土を洗い落としている様子 ときおり雪がちらついていた取材日。極寒の中でも、丁寧に土を洗い落とし、収穫後は日光による劣化を防ぐため、すぐに布を被せます。

栽培の難しさは「見えない」こと

烏丸半島は粘土質の土壌が多く、琵琶湖にも近いため、レンコンの栽培に最適。現在は約2.4haの圃場でレンコンを作っており、1シーズンに10tほど出荷しています。栽培を始めるに当たって田中さんは、千葉県のレンコン農家で2年ほど研修を受けたと言います。「植え付けの方法や、いつ・どれくらいの量の肥料を入れるかといった施肥体系、収穫時のコツなどを学び、まずは10aから始めました。そこで順調に育ってくれたので、少しずつ栽培面積を増やしていったんです」

田中さんが栽培しているのは「金澄20号」と呼ばれる品種。多収性で味も良く、収穫しやすいという特徴がありますが、実際の作業は決して容易ではありません。 「レンコンは土の中にあるので、どれくらい成長しているか見て確認することができません。葉の大きさや茎の長さで判断するしかないのは、難しいところですね」収穫作業も一筋縄ではいきません。冬空の下、膝まで水に浸かって、傷を付けないよう水圧を利用して掘り起こしていきます。また、繊細で劣化が早いのもレンコンの特徴。規格外品の見極めから洗浄までを素早くこなす必要もあるなど、多くの手間暇をかけて出荷されています。

蓮根を洗浄する専用の機械 収穫後は、傷などがないか厳しく選別し、専用の機械を使って素早く洗浄します。「草津ブランドを守るために、品質のチェックは欠かせません。毎日続けていれば、自然と見極められるようになるんですよ」

楽しく食べて、健康に!

免疫力を高めるビタミンCや食物繊維などが豊富なレンコン。中でも「琵琶湖からすま蓮根」は、シャキシャキ感とホクホク感が同時に楽しめると人気を博しています。レンコンそのものの味がしっかりしておりどんな食材にも合いますが、食感を楽しむなら、厚めに切って天ぷらにするのがオススメです。ちなみに、田中さんの一推しはきんぴら。「シンプルにレンコンだけで作って、海苔か塩を振って食べてみてください。シャキシャキ感がたまらないですよ」と教えてくれました。スーパーや直売所、道の駅でも購入できるので、ぜひいろんな調理法を試してみてください!

レモン果汁入りの水につけられた蓮根 洗浄・消毒した後は、レモン果汁入りの水に浸けて保存。劣化を防ぐとともに、見た目も白く美しくなるのだとか。

販売用に包装された蓮根 草津あおばな館やおうみんち、道の駅草津 グリーンプラザからすまなどで購入できます。オリジナルキャラクター「レン君」と「レンコちゃん」が目印です。

(取材日:2025年1月30日)