産地レポート
「多賀そば」のおいしさを、もっと知っていただきたいですね!
そばの栽培に適した多賀町の環境
「今年は大雨の影響を受けて収穫量が少なくなってしまいました。この畑も、雨で水につかって枯れてしまったりして、わずかしか収穫できません。」
申し訳なさそうな顔で話すのは、重森駿さん。滋賀県犬上郡多賀町でそばの栽培をしています。
コンバインで実ったそばの実を次々と収穫していきます。
多賀町では「多賀そばのブランド化」を図るために、そばの栽培を奨励しています。
重森さんは、栽培を始めて15年。
「そばは転作作物として、麦、そば、水稲、麦、そば、水稲という繰り返しで作っています。そばには春まきと、秋まきがありますが、うちでは秋まきです。8月10日~30日の間に種をまいて、11月初旬から収穫をします。以前は、秋まきで信州大そばという品種を使っていましたが、今は常陸秋そばを使っています。受粉のためにミツバチも入れています。」
9月から10月にかけて、多賀町内ではそばの白い花が一斉に咲きます。
そして11月に実を実らせます。
そばは寒暖の差が大きい土地でよく生育します。山間部である多賀町は、そばの栽培に適した地域なのです。
環境にも配慮して、丁寧に栽培
「9月初旬にそばの花が咲き始めますが、その時期にはヨトウムシがつきます。これを駆除するのに普通の農薬ではなく、微生物農薬を使っています。環境こだわり農産物の認証を受けているので、できるだけ人と環境にやさしい農法で作ろうと思っています。収穫期になると、シカやイノシシ、サルがやってきます。野生動物はそばの実を食べないと聞いていたのですが、そうでもないようです(笑)。」
収穫されたそばの実は乾燥させて粉に挽きます。
「多賀そば」をもっと多くの人に食べていただきたい
「多賀そば」は、少しずつ知られるようになりました。
数年前まで「多賀そば」を食べることができるお店は数店舗しかありませんでしたが、今は多賀町やお隣の彦根市でも食べることができるようになりました。
「私たちも、自分たちで栽培したそばの実を粉にして、打って食べています。取れたてのそばのおいしさは最高です。『多賀そば』のおいしさを、滋賀県、全国の人に知っていただきたいと思います。」