春菊は、滋賀県の大地の味。
関西では菊菜(きくな)ともよばれる春菊、鍋物には欠かせない冬の葉物野菜です。
「我々は丸い葉っぱのものを『菊菜』、ぎざぎざの葉のものを『春菊』と呼んでいますが、地域によって違うみたいですね」
滋賀県野洲市吉川地区の生産者、吉川則生さんは、話します。
吉川地区では、ベテラン生産者とともに若手生産者のみなさんが春菊を栽培しています。
極寒期でしたが、ビニールハウスの中はカメラのレンズが曇るようなあたたかさ。
「9月頃に種を蒔いて、10月半ばから3月初旬まで出荷します。共同販売で出荷しています。
全部葉を取るのではなく、少し残しておくことで、一つの株からシーズン中3~4回収穫できます」
「よそから種を買ってきたことはありません。親代々の種を受け継いで栽培しています。この土地によく合っているんでしょうね」
吉川地区では、昭和50年代に吉川野菜生産出荷組合が発足し、ビニールハウスでの春菊を作りが本格的に始まりました。
平成2年からは「しゅんぎく娘」のブランドで京阪神に出荷されています。
春菊といえば、何といっても鍋物ですが、地域では春菊を使った料理レシピも開発しています。
春菊まんじゅう、春菊のかき揚げ、春菊のカレーかき揚げ、おひたしなど、鮮烈な香りと食感を活かして、様々な食べ方が工夫されています。
「春菊はこの土地に合った野菜だと思います。米やメロン、トマトなどの野菜の栽培と並行して、効率よく出荷することもできます。今後も『しゅんぎく娘』のブランドで、作り続けていきたいですね」
春菊、若手生産者の皆さん
左から小森真樹さん、吉川昌孝さん、川端隆介さん、吉川則生さん、辻厚志さん
(取材日:2014年1月22日)