産地レポート
坊ちゃんかぼちゃ
坊ちゃんかぼちゃ
~訪ねた人:豊郷特産物振興協議会会長 西山さん~甘くて濃厚。
手のひらサイズの坊ちゃんかぼちゃ。
豊郷町名物、手のひらサイズの「坊ちゃんかぼちゃ」
「今年は長雨でねぇ、大変やったなぁ」そう言われるのは、豊郷特産物振興協議会 会長を務める西山源司さん。
「かぼちゃ部会」を立ち上げて10年。豊郷町の特産品「坊ちゃんかぼちゃ」づくりに取組んでおられます。
坊ちゃんかぼちゃは、手のひらサイズの小さいかぼちゃ。皮は濃い緑色で、果肉は鮮やかなオレンジ色をしています。
出荷が始まるのは7月末頃で、9月末頃までがシーズンなのだそう。
ちょうどお盆の頃には、その小ささもあってお供え物のセットにも重宝され、スーパーマーケットなどで広く販売されています。
手のひらサイズで筋状のくぼみがあるのが特徴
「ツルものは雨に弱くて、よく雨が降ったら根っこがやられてしまう」と西山さん。
この年の天候には苦戦されたそうです。
生産は20名ほどの部会員で行われています。
豊郷町内の3つの集落で女性グループを作るなどし、 今は全体で100アールを越える面積で作付けされていると言います。
豊郷町の名物となるよう"少しずつの面積でも、多くの人に作ってもらいたい"との想いから、小さな畑を持つ人にも参加してもらい、多くの人に関わってもらうことを大切にされています。
こだわりの作り方
栽培は、農薬や化学肥料を半分以下にする「環境こだわり農業」に取組まれています。
大変ではないのでしょうか?
「ほとんど農薬は使わないよ、虫はつまんで退治するし。何よりも基本は土づくり!土が一番大事!そしたら病気にも強い野菜に育つ」
「冬には堆肥を入れて何度も耕すよ」と土づくりの話には特に力が入ります。
また、見栄えのきれいな緑色のかぼちゃに育つよう心配りも。
一つ一つの実の下にプラスチック製のお皿を敷いて、土に触れないよう栽培されています。
1本の株から10~15個採れると言いますから、ずいぶん根気がいる作業です。
(左)濃い緑色のぼちゃんかぼちゃ、磨いてやるとツヤが出て美しい。
(右)西山さんの倉庫には大小さまざまな坊ちゃんかぼちゃが。
部会では、栽培の時期や、育て方について情報交換をし、毎年反省会を行っておられます。
目下の研究テーマは、「どうしたらちょうどいい大きさ"手のひらサイズ"の坊ちゃんかぼちゃができるのか?」。
肥料加減や、広く植えたらいいのか、細く植えるのがいいのかなどもっとも重宝されるサイズに仕上げる栽培方法を追求中です。
濃厚な味わいを楽しめる、お菓子やお惣菜メニューもいろいろ登場!
この坊ちゃんかぼちゃ、食べ方はなんとも簡単。
「丸ごとをラップで包んでレンジで5~6分チン♪とするんや。
それか、丸ごとで蒸して、そのまま冷蔵庫へ入れておく。食べる時に切って食べたらいい。」
西山さんのご家庭でもそうやって食べられるのだそうです。
火が通ると、栗のようにホクホク、きめが細かくて甘みが強い、濃厚な味わいです。
また、中身をくり抜き器代わりに、グラタンや肉詰めなど、丸ごと1個の坊ちゃんかぼちゃが楽しめるメニューも生まれたのだそう。
「丸ごと使ってもらえるためにも、あんまり大きすぎるとあかんやろ?」と西山さん。
いろんなメニューが生まれたことで、生産にも気合いがこもっているようでした。
坊ちゃんかぼちゃを活かした加工品づくりも始まっています。なんでも、かぼちゃの濃厚な味わいがそのまま楽しめるのだとか。
(左)いきがい協働センターでの加工作業。カット・種取り・皮むき作業を手分けしてこなす。
(右)果肉だけになった坊ちゃんかぼちゃは鮮やかな発色。
果肉の色そのままのプリンや、パウンドケーキは秀逸。特にケーキは期間限定の予約販売で人気を集めています。
(左)蒸してペースト状にした坊ちゃんかぼちゃ。お菓子などの素材として冷凍保存。
(右)本格発売前のプリン こちらも色鮮やか。
美味しく丸ごとで、評判のお菓子で、豊郷町名物坊ちゃんかぼちゃをお試しください。
(取材日:2012年9月18日)