2月の特集 愛彩菜
鮮やかな緑にフリルが美しい葉が目をひく「愛彩菜(あいさいな)」。わさび菜という種類のこの野菜、豊かな風味に、クセのない味わい。ほのかにわさびの香りが漂います。しかも、サラダによし、鍋物によし、油との相性もよし!"何でも来い"の万能野菜なんです。
「これはうまい!」から始まった野菜
鮮やかな色で、ボリュームがある愛彩菜
あまり見慣れない野菜でしょうか?
この野菜、滋賀県に登場して6年目、「愛彩菜」と言います。
鮮やかなグリーンの葉を象徴するような名前の愛彩菜、実は「わさび菜」という野菜を、滋賀県草津市で地域の特産品にしていこうと、地元産のものに付けられた愛称なのです。
そんな愛彩菜について伺うため、草津市北山田地区の中島春樹さん(草津市野菜出荷連絡協議会愛彩菜部会 会長)を訪ねました。
中島春樹さん 自慢の愛彩菜とともに。
中島さんが野菜作りをされている北山田地区は、古くから葉物を中心に野菜の生産が盛んな地域。新たな産品を求めていた中島さんが、周囲に薦められたのが「わさび菜」。
とはいえ、薦めた方もどうやって食べるのか知らない。中島さんも初めて見る野菜だったのだとか。
「初めておひたしで食べてみたとき、ピリッとした味があって、おいしいなぁ!って」
ほのかに香るわさびの風味に独特の味わい。惚れ込んだ中島さんは、早速、種を取り寄せ、愛彩菜づくりがスタート。これが平成18年の出来事。
(左)土作りからこだわった愛彩菜のハウス(右)出荷間近「よう育ってるわ」と中島さん
翌年からは愛彩菜部会が誕生し、メンバーも今では5人になりました。
なんでも、仲間を増やした方法は、『おいしいから、まず食べてみてや!』・・・と、とにかく味で勝負!されたのだとか。
丁寧に根元から一株一株、鎌で収穫する
「何故だか、他の野菜よりよく虫が寄ってきますなあ、やっぱりおいしいのやろうか?」、そんなことをひょうきんにつぶやく、中島さんですが、減農薬減化学肥料、農薬を使わない防除や、堆肥を使った土作りなど細心の心配りをされています。
これからの目標は? とお尋ねすると、
「6年間、根性やったなぁ! 販路も増えたし、5人で協力して年中途切れずに販売できる体制もできた。愛彩菜は何よりうまいし、栄養価も高い。もっともっと食べてもらいたいな!」
と満面の笑み。
食卓の新定番に!レシピいろいろ
サラダに入れても見栄えがする
「愛彩菜は万能野菜!」と中島さんは太鼓判。 生のままでもおいしくいただけ、また火を通してもうまみが活き、鮮やかな彩りが料理を引き立てます。
中島さんのおすすめの食べ方が次から次へと飛び出します。
「サラダもうまいでぇ!」
「自分は天ぷらが一番好きやなあ」
「おひたしもバツグン...、鰹節をかけてポン酢を垂らしたらまたおいしい!」
そんな料理の幅がとっても広い愛彩菜ですが、平成23年1月にもっと料理の幅が広がりました。 JAや市役所などで組織する草津市農業振興協議会が「愛彩菜料理コンクール ~愛彩菜を料理してくださいな~」を開催。
愛彩菜の鮮やかな緑や、味わいを活かした多くの力作が寄せられ、見事、金賞に輝いたのは愛彩菜をふんだんに使った鍋料理、「愛彩鍋」。
協議会がオススメする食べ方は、サンドイッチに浅漬け、炒め物やスパゲティなどなど。はたまた蒸しパンに入れたりと。朝食、夕食、お弁当、いろんなシーンにあわせて愛彩菜が活躍すること間違いなし!
また、加工品の開発にも力を入れていて、平成23年6月には「愛彩菜飴」が、翌年11月からは、「愛彩菜ドレッシング」の販売が直売所草津あおばな館で始まりました。
「愛彩菜は店頭でもけっこう好評いただいています。また、草津市内の小学校では、毎月、給食でも食べてもらっていて、やっぱり嬉しいな!」と中島さん。
これから目にする機会がもっともっと増えていきそうですね!
愛彩菜食べてみて! 朝市での味わいレポート
現在、草津市を中心に販売されている愛彩菜。そこで、お隣の大津市内で開かれている朝市に来られていたお客様に、実際に愛彩菜を食べていただき、感想を伺いました。
山盛りの愛彩菜を持って、朝市での味わいレポート!
持参したのは、みずみずしい生のままの愛彩菜と、さっとゆでたもの。
初めて食べるという方も多くおられました。さあ、みなさまの感想は!?
まず、多くの方が言われたのが「風味がしっかりしてる!」という言葉。
「口に含んでから味わいがちゃんとあるね」と驚かれます。
愛彩菜のさわやかな風味、みなさんの好みにあったようです。
(左)「歯ざわりも良くて、おいしい^^」(中)「クセのない味ねぇ。炒めてもおいしそう」(右)「体によさそうやなぁ」
「チャーハンに入れたい」とは男性のご意見。「オリーブオイルにも合いそう」というコメントもあり、この風味の良さがいろんな料理を想像させるようでした。
「使いやすそうな野菜ね~」
そこで、朝市に出店されている惣菜店のご店主にも食べていただきました。初めて食されたそうですが、「食べやすいね。えぐみがないし、サラダにもいい。ゆでても存在感があって、お料理いろいろオールマイティに登場させやすいんじゃないかな?」とのご感想!
それにしてもみなさん、この新しい野菜に興味津々です。
「茎までやわらかくて、みずみずしいね」
「緑色がキレイ!」
「葉っぱがシャキッとしてるね~」
「いつものメニューが変化をつけられて、いいと思うな」
「サラダに入ってたら、"あれ?今の野菜、何?"って思ってしまう!」
などなど、様々に話題が広がりました。
(左)「イタリアンのお店とかで使いそうじゃない?」(右)「大人な味わい?ピリッと風味を感じるね~」
大好評を得た愛彩菜。いろんなメニューがどんどん浮かんでくるような、便利な野菜です。日ごろの食卓の一員に加えてみませんか?
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