10月の特集 滋賀県認証 環境こだわり米
おいしい新米の季節になりました。滋賀県のお米と言えば、やっぱり「環境こだわり米」。より安全・安心なだけではなく、びわ湖の水や周辺の環境を守ることにつながります。どういうお米? 何をやっているの? 環境こだわり米応援団の3人が大いに語ります!
「環境こだわり米」とは?
滋賀県では、琵琶湖をはじめとした自然環境の保全に配慮した「環境こだわり農業」によるお米づくりが広がっています。
その名もずばり「環境こだわり米」。農薬・化学肥料はもちろん半分以下。
「おいしさ」と「自然にやさしい」がそなわった理想のお米です。
詳しくはこちら→「環境こだわり農産物」(令和元年9月写真追加)
2001年に始まった「環境こだわり米」の栽培、それは全国でも先駆的な取組で、そのきっかけは、日本最大の湖 「琵琶湖」やその周辺の自然環境を守っていくため。
約400万年の歴史をもつ世界有数の「古代湖」でもある琵琶湖。約600種の動物、約500種の植物など多彩な生物住みかでもある。
写真(社)びわこビジターズビューロー
琵琶湖のことをもっと知りたい方はこちら。→「琵琶湖ハンドブック」
滋賀に降り注ぐ雨は、山々や田畑にしみ入り、400を超える川となって1つの湖にたどり着きます。琵琶湖の水は、京都、大阪をはじめとする京阪神地域、約1,450万人もの人々の暮らしや産業を支えるとともに、琵琶湖とその周りに息づく生き物たちの「命の水」となっています。
写真左-(社)びわこビジターズビューロー
「環境こだわり農業」とは、農薬や化学肥料を通常の50%以下に減らすことはもちろん、環境保全のためさまざまな工夫を重ね、特別な栽培を行うこと。
厳しい栽培基準をクリアして栽培された農作物は「環境こだわり農産物」として滋賀県が認証。より安全・安心な農産物として販売されています。
環境こだわり農産物の認証マーク。
「環境こだわり米」の4つの栽培基準
- 化学合成農薬の使用量を通常使用量の半分以下(延べ7成分以下)
- 化学肥料(窒素成分)を通常使用量の半分以下(4kg/10a)
- 泥水を流さないなど琵琶湖をはじめ環境にやさしい技術で栽培する。
- どのように栽培されたかが記録する。
近江米のなかでも、「環境こだわり農業」で育てられたお米は「環境こだわり米」と呼ばれ、より安全・安心な滋賀県のブランド米。
その栽培がスタートしてから約10年。着実に県内各地に浸透し、現在では水田面積の約40%で「環境こだわり米」が栽培されるまでに至りました。環境に配慮したお米の栽培面積は全国トップクラス!
(左)コンバインで次々と収穫されていく「近江米」
(中央)環境こだわり米専用の最新鋭の乾燥調製貯蔵施設。認証マークが大きく描かれています。
(右)温度管理された倉庫で出荷を待つ米袋
大いに語る!「環境こだわり米」
「環境こだわり米」の田んぼを見に行き、パシャリ。
左から、安孫子雅則さん・成田賀寿代さん・梅本弥宏さん
そんな「環境こだわり米」をもっと広めたい!
「環境こだわり米」の応援団の3人の方に語っていただきました。
語っていただくのは、「環境こだわり米」の有数の産地、「JAグリーン近江」の安孫子雅則さん、「JA北びわこ」の梅本弥宏さん。そして、生産者と消費者をつなぐ活動を行う「こだわり滋賀ネットワーク」スーパーバイザーの成田賀寿代さんです。
~認証マークは「食べることで、びわ湖を守る」の目印~
成田さんは言います。「環境こだわりマークがあれば、"安心・安全"の証明のようなもの。農薬や化学肥料ができるだけ少ないお米を意識して選びたいと思うとき、信頼がおけるのが「環境こだわり農産物」のマークです。子どもたちのためにも選んでもらいたいものですよね」
(左)滋賀のお米、生産者さんへの思いを語る成田さん
(右)「琵琶湖を思いながら食べて」と安孫子さん
「農薬に頼らない米づくりっていうのは大きいハードルやったけど、生産者同士で様々な栽培の工夫について、熱心に話し合いを深め、この10年間に、地域で生産者が取組みをよりいっそう進められているんですよ。やっぱり何と言っても、滋賀には琵琶湖がある、という事でみんなの心が一つになる。それが大きいなぁ。」と安孫子さん。
「みんなに食べてもらってこそ...」と梅本さん
「地域の小学校と一緒になって田んぼ学習に取り組んだり、京都の消費者の方と交流を深めたりと、みんなに「環境こだわり米」を、田んぼと琵琶湖の繋がりを知ってもらいたい。 みんなに食べてもらってこそ、"環境こだわり米"も作っていくことができる。マークを目印にして、もっと選んで、もっと食べてもらいたい」と梅本さん。
そうです、「環境こだわり農業」のキャッチコピーは「食べることで、びわ湖を守る」。 消費者の方々に「環境こだわり米」を継続して選んでいただく(=食べていただく)ことで、生産者も「環境こだわり米」を継続して栽培していくことができ、ひいては琵琶湖の水やその周辺の環境を保全することにつながります。
「そうですね。みんなで琵琶湖を守って「水」を育みましょう! 結局はみんながいただく水になりますからね。"認証マークを選ぼう!"を合言葉にしたいぐらい!」と成田さん。
看板の前で決めポーズ。「ぜひ食べてください!!」
そのお米が皆さんの食卓に上がることで、めぐりめぐって琵琶湖の水が美しく、湖の周りに息づく生命(いのち)が維持されていきます。
味わいは折り紙付き、より安全・安心のお米の「環境こだわり米」。
認証マークを見かけられたら、ぜひ選んでください。
近江米の魅力を語る―成田賀寿代さん
鹿児島から滋賀へ移り住んだという成田さん。滋賀の「環境こだわり米」の応援団のお一人です。「環境こだわり米」に太鼓判を押される理由、魅力はどこにあるのか...伺ってみました。
(左)味も太鼓判の「環境こだわり米」
(右)「滋賀の環境こだわり米は世界にも誇れる!」と成田さん
滋賀に移り住まれて、驚かれたのは、お米のおいしさだそうです。
「近江米がとってもおいしかったので、新米が出ると自分でも県外の友人に5kgずつお米を配ってるんですよー!"おいしいね~!! "と言ってくれて、仕事先や、会議に行っても、おにぎりを分けたりして広めていますよ」と、ニッコリ笑顔満面。
「特に、滋賀の環境にやさしい農業の取組みは、滋賀が世界でもトップ! 環境こだわり農業は世界の宝物だと思っています」
成田さんの力強い「近江米」応援の言葉の裏には、移り住んで感じられた「近江米」の味わいへの率直な感動と、生産者の方の真摯な取組みを見てこられて得られた確信があるようです。
「環境こだわり米を食べていただくことで、滋賀の人たちが感じている幸せをおすそわけできると思います。真実は、食べることにあり! 私のおすすめです」