料理長のアドバイス
手打ちそばと朝宮茶の店 黒田園 黒田直宏さん
茶葉の味をそのまま楽しんでいただきたいですね
私は茶農家黒田園の次男です。地元で店をやろうということになって、そばと茶料理の店をやるようになりました。10年になります。
店の建物は福井県の古民家です。これを移築して、店舗にしました。
移築した時は私はまだ高校生でしたが、家族と一緒に夜遅くまで改築工事をしました。
それだけにお店には愛着があります。
そば打ちは独学で習得しました。うちの茶園で採れた茶とそばを使った料理をお出ししています。
美味しい煎茶を入れるポイントは、まず急須を揺らさないこと。揺らすと苦みの成分が出てしまいます。ゆっくり蒸らして、湯呑に均等に、少しずつ湯を注いでいきます。
お茶はあとから濃くなっていきますから、一度に全部湯呑にそそぐと、濃い薄いができてしまうんです。
最後の一滴まで注いでください。
茶葉の料理について
当店のお茶の料理はうちの農園で採れた生の茶葉を使っています。市販の加工された茶葉は渋みが強すぎて料理には向かないと思います。一般の方は入手が難しいかもしれませんが、入手できた時にはお料理に生かしてみてください。今回は、お茶の葉の天ぷらを作りましたが、茶葉のサラダなども好評です。茶そばや、スイーツなどには抹茶を入れることが多いですが、当店では生茶葉をミルで挽いて入れています。その方が香りも良くなります。茶葉のおいしさは、お茶で飲む以外にも味わうことができます。お茶の葉を使った料理にもっと親しんでいただければと思います。