琵琶湖八珍から広がる びわ湖のめぐみレポート

びわ湖のめぐみレポート
「セタシジミ」

びわ湖のめぐみレポート「セタシジミ」
琵琶湖の固有種で、浅瀬から水深10数mにかけて生息する。
殻が厚く、身にコクがあり「寒シジミ」と呼ばれる冬季には、身が肥えておいしい。12月~4月には、県内の小売店等でも販売される。

高島市高島市

  • 獲る中村水産
    中村清作さん

    中村水産 中村清作さん
    - 受け継いだ漁の技術で新たな挑戦が続く -
    「漁師になるつもりはなかった。なりゆき」と笑う中村清作さん。祖父、父と続く漁師の家に生まれ、幼い頃から漁を手伝い、学校帰りには湖岸で釣りをして遊ぶ日々。琵琶湖と漁は日常の中にあった。学校卒業後、一度は企業に就職したが、「外で働いてみて、初めて漁師の面白さに気付いた」そうだ。

    海津に戻り、父親から給料をもらうサラリーマン漁師を経て独立。そこから俄然面白くなり、漁にのめり込んだ。父がコアユを獲るので、自身はシジミなど他の魚介を狙う。「攻める漁が好きです。刺し網、定置網で待つより、自分から探しに行くシジミ漁は向いている」。

    漁師になって14年。家族の生活の為の漁も大切だが、若い世代も食べていける仕事にしたい──将来を見据えて、中村さんはさまざまな挑戦を続けている。

    魚の祭典「Fish-1グランプリ」で、漁連青年部の「ビワマス丼」が1位(淡水魚では初めて)になり、メンバーと男泣きした経験や、飲食店での「湖魚を食べる会」の実施、県内の飲食店チェーンへの提案、また魚の加工・卸事業者・飲食店などの仲間が集まり、新たな販路を作る試みなど、中村さんのエネルギーは半端ない。

    「海津の浜に子供たちが遊びに来て、琵琶湖の魚や貝に興味を持ってくれるよう、湖との接点を増やしたい。また今年は新しく漁師になる若手が来る予定で、すごく期待しています」と中村さん。

    琵琶湖への想いは揺らぐことなく、また新たな挑戦が始まる。
    • 中村水産
    • 中村水産

    中村水産

    住所:高島市マキノ町海津2461
    TEL:0740-28-0214

  • 食べるMIZU cafe cocco(みずかふぇ こっこ)
    店長 谷口まゆみさん

    MIZU cafe cocco 店長 谷口まゆみさん
    - 働くスタッフとお客様が共に笑顔になれる場所 -
    たかしま・まるごと百貨店の隣りには、ブルーの扉が印象的なお店「MIZU cafe cocco」がある。店長の谷口さんは、余呉湖のほとりで育ち、実家は魚屋で、小さい頃から湖や海の魚を食べてきた。

    「結婚して高島へ来て、子育てが一段落してから福祉施設で働くようになりました。その事業所が飲食店の運営を市から請け負ったのをきっかけに、家の商売を思い出して手伝ううちに、いつのまにか専任になっていました」と微笑む。

    春からお店に出す予定の『おすすめ しがめしランチ(1,000円税込)』は、琵琶湖の魚や地元野菜を積極的に使ったメニューだ。湖魚の塩糀漬のフライに万木かぶ酢漬けのタルタルソース、湖魚の煮付、スジエビのまぜごはん、シジミの味噌汁、サラダには鮒ずしドレッシングと、滋賀ならではの美味しそうな手作りの品々が並ぶ。

    「息子も魚関係の仕事をしているし、住まいが琵琶湖のそばなので、いろいろな魚が調達できます」と谷口さん。「ここは障害を持ちながら働く人たちがお客様と触れ合う場でもあり、料理についても、きちんと説明できるようにみんなで協力していきたい」と話す。

    また高島の『発酵』にヒントを得た、オリジナルの発酵ドレッシングは商品化され、2018年には<高島いいモノいいコトグランプリ>の発酵特別賞を受賞。柚子・甘夏など5種類を販売しており、好評だ。

    店名のcocco(こっこ)には、「湖水・北湖・個性・心・ここにしかない・ほっこり」など複数の意味が込められている。高島の山や湖の幸、そして笑顔に癒されるスタッフたちに会いに訪れてみませんか?
    • MIZU cafe cocco
    • MIZU cafe cocco

    MIZU cafe cocco(みずかふぇ こっこ)

    住所:高島市新旭町旭1丁目10-1 高島市観光物産プラザ1F
    TEL:0740-25-8131
    営業時間:9:30~15:30
    定休日:火曜日・日曜日・年末年始

  • 買うたかしま まるごと百貨店
    (公社)びわ湖高島観光協会 物産振興課長 小林雅人さん

    たかしま まるごと百貨店 (公社)びわ湖高島観光協会 物産振興課長 小林雅人さん
    - ちぢみや帆布に並ぶ湖魚も高島の名産品に -
    JR新旭駅前に高島市の名産品が揃うショップがある。「オープンした当初は高島ちぢみや高島帆布など布製品が多かったのですが、高島の食も知ってもらおうと食品を並べるようになりました」と小林さん。

    食品を販売するため、地元事業者に一軒一軒、声を掛け、「発酵」「アドベリー」「地酒」「湖魚」と4つのテーマに沿って品揃えを行った。「湖魚」のコーナーでは、鮒ずしや佃煮など地元で食べられてきた加工品のほか、新しい切り口の商品も並んでいる。

    観光客も多く、オープン時にはかなりの数のお客様が来店された。現在は年間8000程度の購入件数があるため、来店者はその数倍と推測される。

    「高島ちぢみの衣類等は、年3回開催するフェアでの特別価格を狙って購入されるリピーターも多く、ファンが定着しています。食品目当ての方はまだ少ないが、商品の特徴をしっかり伝えながら、湖魚も含めた高島の食品も知っていただきたい」と小林さん。

    道の駅など競合店も近くにあり、差別化が求められる。「地域に貢献するという観光協会の役割もあり、ディスプレイなど百貨店出身のスタッフが手掛けている。一つ一つの商品について、きちんと説明できることが強みです」。

    高島は鯖街道もあり、外部の人やモノを受け入れる土壌がある。小林さんも20年程前に県外から高島へ移住してきた一人。内と外、両方の視点で湖魚の魅力もアピールしてくれそうだ。
    • たかしま まるごと百貨店
    • たかしま まるごと百貨店

    たかしま まるごと百貨店

    住所:高島市新旭町旭1丁目10-1 高島市観光物産プラザ1F
    TEL:0740-33-7103
    FAX:0740-33-7105
    営業時間:10:00~18:00
    定休日:火曜日・年末年始

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