琵琶湖八珍から広がる びわ湖のめぐみレポート

びわ湖のめぐみレポート
「ホンモロコ」

びわ湖のめぐみレポート「ホンモロコ」
コイ科の琵琶湖固有種。体長7~15cm。春から秋には、沿岸の浅水域に生息し、冬には沖合の深所に移動する。
コイ科魚類では最もおいしいと言われている。

高島市高島市

  • 獲る三和漁業協同組合
    組合長 齊藤秀和さん

    三和漁業協同組合 組合長 齊藤秀和さん
    - 湖魚漁師たちの誇りと経験 -
    安曇川町四津川にある三和漁協で水揚げされたホンモロコやワカサギを囲んで、入札が始まった。仕切るのは組合長の齊藤秀和さん。

    「仲買さん達の駆け引きが面白い。欲しい時はけなし、いらん時はほめる。まるできつねとたぬき」と笑顔をみせる。

    三和漁協は70年前に組合として設立され、初代組合長が入札制度を始めた。今もその伝統を引き継ぎ、漁があれば朝9時半ごろから入札が行われる。魚は漁師毎に箱に入れられ、仲買は魚の良し悪しを漁師の名前からも判断するそうだ。「仕事が丁寧な漁師の魚はすぐわかる。自分も若い頃はライバルより少しでもよい漁場でよい魚を獲ろうと努力した。今は漁師が減って、熱意のあるやつが少なくなった」。風や潮、気温など環境の変化を読み取り、魚の気持ちになって漁に臨む。魚群探知機だけではわからない、経験値がよい漁場を教えてくれるという。

    - 父から息子へ 受け継がれる漁の技術 -
    齊藤さんは漁師の家の4代目。小学校から実家の漁を手伝い、迷うことなく漁師になった。「漁が好きで、兄貴と一緒に獲った魚を売りに行き、それがお小遣いにもなった。タツベを仕掛けて手長エビをたくさん獲ったこともある」そうだ。「おやじとおふくろも一緒に船に乗った。大漁だと機嫌よく、獲れないとおやじの見立てが悪いとおふくろが怒った」という漁師一家。家族の食卓には、アユ・ホンモロコの炊いたんやニゴロブナなど旬の魚が並んでいた。

    「ホンモロコは寒モロコがいいと言われるが、秋モロコも脂がのり、若いのでプリプリした美味しさがある。今年はよく獲れているから、比較的手頃な価格で食べてもらえそう」。お話を伺っていると港の方が賑やかになり、若い漁師の姿も見えた。「息子です。5代目」と齊藤さん。

    12月に入るといよいよコアユの季節が到来。ホンモロコと共に希少な氷魚(ヒウオ。アユの稚魚)もぜひ味わってほしい。
    • 三和漁業協同組合
    • 三和漁業協同組合

    三和漁業協同組合

    住所:高島市安曇川町四津川752-1
    TEL:0740-34-1131

  • 食べる長浜屋旅館
    女将 納本よし子さん

    長浜屋旅館 女将 納本よし子さん
    - 老舗旅館で味わう湖魚 -
    「ここは織田信長の領地。明智光秀の設計で、信長の甥の織田信澄(のぶすみ)が築城した大溝城があり、池(乙女ヶ池)が外堀になる水城なのよ」と長浜屋旅館の女将・納本よし子さん。

    高島市勝野は近江高島駅から南東へ約5分、大溝城を中心とした城下町だ。お邪魔したのは平日だったが、城の近くで中高年の観光客にも出会った。長浜屋旅館は、明治の初めより旅籠として代々納本家の女性たちに受け継がれ、船で行き交う人々をもてなしてきた。よし子さんは60年前、納本家へ嫁いだ。

    「このあたりは勝野津といって入り江になっていたの。旅籠がずらりと並び、それぞれの家の前には石段があり、各家は船を持っていた。お正月のもち米を入り江の水で洗うほど、水がきれいだったよ」。当時は釣りを楽しむお客様で賑わい、時の大臣などもお忍びで来られたという。「自分で釣ったホンモロコをたくさん食べてもらった。今日もいいホンモロコが手に入ったよ」。

    - ホンモロコを美味しくいただく -
    テーブルの上にはホンモロコを使った料理がずらりと並ぶ。三和漁協でセリにかけられた湖魚を仲買さんから購入しているそうだ。

    まず、酢漬け。ホンモロコを揚げた後、合わせ酢に漬けたもので、酸味と甘みがちょうどよいバランス。山椒煮は山椒の実と熟成2年の地元醤油を使った自慢の一品。沸騰した出汁の中へホンモロコを入れ、1時間以上弱火でじっくり煮込む。昆布巻きも厚みのある昆布とホンモロコがしっかりなじんで、ごはんやお酒が進む。ハスのなれずしは米飯と塩で乳酸発酵をさせており、あっさり食べやすい。エビとイサザを大豆と煮込んだものや、コイのあらいもあり、琵琶湖の幸を堪能できる。新旭の上原豆腐を使った湯豆腐など、水がきれいな高島の気候風土が感じられる一品も。

    「魚は天然のものばかりなので、入手できた時はまとめて煮込んだり、なるべく素材の良さを活かして食べていただけるよう工夫します。養殖や冷凍技術も進んでいるけど、できれば獲れたてを料理して食べてもらいたい」。

    水城を中心に広がった城下町には、水辺の食文化とおもてなしの心遣いが今も息づいていた。
    • 長浜屋旅館
    • 長浜屋旅館

    長浜屋旅館

    住所:高島市勝野1632
    TEL:0740-36-1539
    一日一組様限定

  • 買う道の駅
    藤樹の里あどがわ

    道の駅 藤樹の里あどがわ
    - 湖魚商品が集まる道の駅 -
    道の駅「藤樹の里あどがわ」は平成18年にオープン。週末には1日4千人~5千人の観光客や地元の人が訪れる高島市の人気のスポットとなっています。

    館内の<高島みちくさ市場>には市内約150事業者が出品し、地元の農産物・名産品が並びます。
    新鮮な野菜の他、湖魚の佃煮や鮒寿司など、びわ湖のめぐみが数多く揃うのも特徴の一つ。

    近隣の湖魚加工事業者などが集まった専門部会もあり、ホンモロコの佃煮や子持ち鮎の甘露煮など保存がきく加工品として購入できます。
    • 道の駅 藤樹の里あどがわ
    • 道の駅 藤樹の里あどがわ

    道の駅 藤樹の里あどがわ

    住所:滋賀県高島市安曇川町青柳1162-1
    TEL:0740-32-8460
    FAX:0740-32-8464
    休館日:毎月第2水曜日及び元日(4月、8月、11月は無休となります)
    営業時間:9:00〜18:00

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