びわ湖のめぐみレポート
「ホンモロコ」
- コイ科の琵琶湖固有種。体長7~15cm。春から秋には、沿岸の浅水域に生息し、冬には沖合の深所に移動する。
コイ科魚類では最もおいしいと言われている。
彦根市
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魚万商店
代表取締役社長 世森伸吾さん- - 彦根産の湖魚を扱う老舗卸専門店 -
明治初期、初代亀吉が琵琶湖の漁師より魚を買い付け、天秤棒に桶をかついで行商をしていた事に始まり、以来、大正・昭和・平成と140年以上、琵琶湖の卸専門店として彦根をはじめ県内各地で獲れた鮮魚を扱ってきた。
「乗り物も自転車、オートバイク、オート三輪、今の自動車と変化し、魚を届ける先も全国へ広がりました」と世森さん。自身は車が好きで、車に関連する仕事に就き、家業を継ぐ気はなかった。
転機が訪れたのは、27歳の時。一時的に実家の手伝いを続けて数年が経った頃、父親が病気で急逝した。とにかくやるしかないと思い、地元だけでなく、30代は東京へ通い、新たな販路開拓にも取り組んだ。「東京の売り込めそうな先、30件位へ手紙を書いたら、5件程反応があり、そこから開拓していった」そうだ。
その後も紆余曲折しながら鮮魚の卸と並行して、新商品の開発も手掛けた。加工品として販売している「鮎のアヒージョ」は飲食店への提案のつもりで開発。米原商工会の特産品としても販売されている。
- ホンモロコを美味しくいただく -
ホンモロコはよく「寒モロコ」がうまいと言われ、2月頃には子持ちとなるため人気がある。初冬モロコは人間でいうと20代前半で、おいしくなる時期。12月には京都の飲食店などに出回り、高級魚として提供される。
食べ方もいろいろ。頭を下にして炭火でじっくり焼いたり、佃煮や南蛮漬けもおいしい。家で焼く時は、焼き目はこんがり、きつね色になってから、さらにもう少し焼いたあたりが食べ頃。また、焼いた後に頭に酢を少しぬると頭まで柔らかく食べやすい。子供の頃、自身も食卓に上がるホンモロコを食べてきた。「揚げた後、甘酢に漬けたり、天ぷらにすると子供もおいしいと食べてくれるはず」と話す。
冬には氷魚(ヒウオ。アユの稚魚)など琵琶湖ならではの魚が出回る。春まで楽しめるホンモロコなどと合わせてぜひ味わってほしい。
有限会社 魚万商店
住所:米原市世継746番地2
TEL:0749-52-0123 (代)
FAX:0749-52-5955
http://www.biwa-uoman.co.jp - - 彦根産の湖魚を扱う老舗卸専門店 -
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APPRENTI(アプランティ)
オーナーシェフ 田中勝典さん- - 気軽に楽しめる湖魚のフレンチ -
2017年2月、彦根駅から徒歩3分程のところにオープンしたフレンチレストラン「アプランティ」。
「アプランティは見習いの意味。初心を忘れないようにという想いを込めて店名にしました」と田中シェフ。
シェフになるきっかけをつくったのは地元の洋食店。同店のオーナーシェフのもとでアルバイトをした時に、料理の面白さを知り、影響を受けた。大阪の北浜や堂島のお店で修業した後、「本場を見てみたい」と南フランスのアンティーブに渡る。アンティーブは地中海に面し、カンヌとニースの間にある観光地で、多くの観光客がバカンスに訪れる場所。市場へ足を運び、いろいろな食材に触れてきた。
「ワインを気軽に楽しんでもらいたいと思い、週1回、金曜夜にワインバーを開催。ホンモロコもワインに合うメニューとして、時々提供しています」。
お店を開く前は「コアユの天ぷらや甘露煮をたまに家で食べる」程度だったが、今は地元食材として湖魚にも興味がある。「夏はビワマスを使ってマリネにしました。皮の部分を少し焼いて、野菜や豆と和えるとおいしい。県外から観光で来られるお客様も多いので、地元の食材は喜ばれます。滋賀出身で帰郷された際に食べていただき、懐かしいと話される方もいらっしゃる」。
- ホンモロコのコンフィはワインにもぴったり -
この日はホンモロコをコンフィという料理法で、低温で2時間程度、じっくり焼いた。リンゴとアンティーブ、春菊、三つ葉、エシャロットなどと合わせて提供する。「ホンモロコは青い味が合うと思い、青りんごを使い、レモンを効かせています。身をまるごと、焦げ目も楽しみながら食べてほしい」。
彦根のフレンチとして長く愛されそうなお店。金曜のワインバーでは地元食材を使ったレシピなど通常以外のメニューも楽しめるので、ぜひ足を運んでみてほしい。
APPRENTI(アプランティ)
住所:彦根市佐和町7-9彦根駅前若林ビル1階
TEL:0749-30-9939
営業時間:11:30~14:30(L.O. 14:00)
18:00~23:00(L.O. 22:00)
定休日:水曜日
※駐車場なし(隣にコインパーキングあり)
※ランチは平日も週末もOK(水曜は定休日) - - 気軽に楽しめる湖魚のフレンチ -
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JA東びわこ
やさいの里二番館- - 湖魚を使ったおふくろの味が楽しめるマーケット -
平成20年にオープンしたJA東びわこファーマーズマーケット「やさいの里 二番館」。
地元の農家が朝どりした野菜、果物、花などが店内にズラリと並び、常時約300種類の商品が販売されています。
冷蔵庫や陳列棚には、地元の漁師が獲ったホンモロコ、イサザ、ハスなどの湖魚を使った加工品がたくさん並んでおり、人気となっています。
「旬の時期に湖魚を仕入れて、佃煮や煮付けなど手作りの惣菜を出しています。楽しみにしてくださるお客様も多く、作り甲斐があります」と二番館で惣菜を製造販売している夏原さん。愛情込めて作られたおふくろの味、一度試してみてはいかが?
JA東びわこ やさいの里二番館
住所:彦根市平田町790
TEL:0749-27-7733
営業時間:9:00~17:00
年末年始を除く年中無休 - - 湖魚を使ったおふくろの味が楽しめるマーケット -