琵琶湖八珍から広がる びわ湖のめぐみレポート

びわ湖のめぐみレポート
「氷魚・コアユ」~四番町スクエア~

びわ湖のめぐみレポート「氷魚・コアユ」
琵琶湖で育つアユは、体長10cm前後でコアユと呼ばれる。
また冬に獲れる稚魚は、透明な身体で氷魚(ひうお)と呼ばれ、冬の贅沢な味覚となっている。

彦根市 四番町スクエア彦根市 四番町スクエア

  • 集まる株式会社四番町スクエア
    代表取締役社長 長﨑隆義さん

    株式会社四番町スクエア 代表取締役社長 長﨑隆義さん
    - 観光客にも知ってほしい伝統湖魚料理 -
    「大正ロマン」をテーマにデザインされた街並みが広がる四番町スクエア。
    土日は観光客で賑わうが、オープンから14年が経ち、新たな顧客誘致にも注力している。

    さまざまなプロモーション戦略の先頭に立つのは、今年7年目の社長・長﨑隆義さん。市役所で長年、産業支援を手掛けており、市立病院の事務局長や区画整理の担当者等、複雑な課題が多い仕事の中で、その手腕を発揮してきた。

    「四番町スクエアの前身は、大正時代に公設市場として始まり、県下で最も賑わう商店街に成長した『本町市場商店街』。将来に危機感を抱いた若手商店主たちが、町の再生へ向けて動き出したことがきっかけでした」と長﨑さん。

    「彦根城築城400年祭やひこにゃん人気を追い風に売上を伸ばしてきましたが、3年前からは団体客の誘致にも力を入れています。観光で来られるお客様は、地元のものを喜ばれるので、エビ豆など滋賀で昔から食べられてきた料理も提供しています」。

    自身も湖魚好きで、大晦日の大掃除が終わると、ホンモロコを炭火で焼き、地酒を飲むのが至福の時。「小さい頃、親父は鮒ずしで一杯、僕たちはシジミの味噌汁をいつも家で飲んでいた」そうだ。湖魚の活用が町づくりの次の一手になるかもしれない。
    • 株式会社四番町スクエア
    • 株式会社四番町スクエア

    四番町スクエア

    住所:彦根市本町一丁目7-34
    TEL:0749-27-7755

  • 食べる有限会社千乃吉ぽう
    代表取締役 上田豊弘さん

    有限会社千乃吉ぽう 代表取締役 上田豊弘さん
    - 焼肉ダイニングの隠れた逸品 -
    「焼肉ダイニング 千乃房」という名前の通り、A5クラス以上の近江牛をさまざまに楽しめるお店。メニューには無いが、オーナーのサービス精神と探求心から、湖魚の料理が提供されている。

    「お客様から、鮒ずしはないの?と聞かれたことがきっかけ。地元食材を食べていただきたいとリクエストに応えるうち、湖魚も出すようになった」と店主の上田豊弘さん。

    近江牛の老舗店を経営する家族の一員として育ったが、料理することが大好きで、いろいろな食材を扱ってきた。お店で出すタレも手作りで、湖魚も手間ひまかけて調理している。

    初めて鮒ずしを食べるお客様に、まず、飯(いい=鮒ずしが漬かり上がったときにできるご飯の部分)をスープにして、喜ばれたという。取材に訪れた日も「飯のスープ」と、「ビワマスのお刺身」「ホンモロコの南蛮」を振る舞っていただいた。どれも優しい手作りの味で、特に卵を加えた飯のスープは、ほんのり鮒ずしの風味を味わいながら飲めるオリジナルの逸品だ。

    「肉ばかり触っていると、魚で料理がしたくなる(笑)季節感を出すのに魚はいい。自分が美味しいと思うものを作り、それでお客様が喜んで下されば、本当に嬉しい」湖魚はメニューに掲載されていないので、お店に行った際は近江牛をいただきながら、「何かありますか?」が魚料理をリクエストするサイン。ぜひ一度、お試しあれ。
    • 焼肉ダイニング 千乃房
    • 焼肉ダイニング 千乃房

    焼肉ダイニング 千乃房

    住所:彦根市本町一丁目11-25
    TEL:0749-27-2929
    営業時間:11:30~14:00
         17:00~22:30
    定休日:水曜日

  • 買う有限会社魚幸商店
    専務取締役 北川幸平さん

    有限会社魚幸商店 専務取締役 北川幸平さん
    - 漁法も調理もこだわりの専門店 -
    四番町スクエア内に店舗を構える「うおこう」。創業昭和22年の川魚専門店で、コアユ、ホンモロコ、ウロリ、川エビなどの佃煮がずらりと並ぶ。

    北川幸平さんは同店の三代目。「おじいちゃんがトロ箱一つから始めたお店。最初は大阪で海のもんを扱っていたようですが、滋賀へ移り、湖魚の加工を始めた」という。子供の頃から家業を手伝い、学校卒業後も魚の商売の道を一筋に歩んできた。

    お店のおすすめは「小あゆ煮」で、小糸漁で獲られたコアユだけを使ったもの。小糸漁は水中にカーテンのように張った網で漁獲する方法で、「小糸のアユが一番おいしい」と北川さんはいう。他にも自家製たれでふっくら焼き上げた「うなぎの蒲焼」や、近江の逸品「鮒ずし」も自慢の品。

    「鮒ずしは、握り寿司と勘違いされて来られる方もいらっしゃいます(笑)。でも一口食べて、美味しい、ワインに合うと喜ばれることも多い」そうだ。先日は20代の学生グループが訪れ、初めて鮒ずしを食べて、「全然いける」と興奮していた。

    「ここは地元の常連さんの他、旅行者や家族連れなども多い場所。琵琶湖の魚の美味しさをもっと知っていただき、広めていきたい」。

    にこやかな風貌と人柄で、知人から「ゆるきゃら」に例えられることもある北川さん。看板店主として、今日も店頭で、来訪者を出迎える。
    • 有限会社魚幸商店
    • 有限会社魚幸商店

    うおこう

    住所:彦根市本町一丁目12-13
    TEL:0749-22-3707
    営業時間:9:00~18:00
    定休日:火曜日

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