産地レポート

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2016年8月の特集 とよ坊かぼちゃん【産地レポート】とよ坊かぼちゃん

甘みが強く、ホクホク美味しい坊っちゃんかぼちゃ。
手の平ほどの可愛らしいミニサイズながらも、中身は濃厚で食べごたえたっぷり!
鮮やかなオレンジ色の果肉と、まるでお菓子を食べているような優しい甘さが特徴です。
滋賀県豊郷町では、この坊っちゃんかぼちゃを『とよ坊かぼちゃん』と名づけ特産品として生産に力を入れています。『とよ坊かぼちゃん』を美味しく食べてもらいたい!
そんな思いを込めて栽培する生産者さんにお話を伺いました。

濃厚でなめらか。手のひらサイズの『とよ坊かぼちゃん』

甘みが強い『とよ坊かぼちゃん』。鮮やかなオレンジ色の果肉が特徴です。
甘みが強い『とよ坊かぼちゃん』。鮮やかなオレンジ色の果肉が特徴です。

小さな手のひらサイズで可愛らしい姿の『とよ坊かぼちゃん』。半分に切ってみると、まずその鮮やかな果肉の色に驚きます。見るからに美味しそうなオレンジ色で、通常のかぼちゃよりも色が濃いのが特徴です。もちろん濃いのは色だけではありません。タンパク質やβカロテン、ビタミンAが約2倍も多く含まれているので、栄養もたっぷり。メロンよりも高い糖度を持っているので、ラップにくるみ電子レンジでチンするだけでホクホク甘い!まるで焼きたてのお菓子を食べているような味わいが楽しめます。

町も一緒に加工品を開発、プリンや羊羹など美味しいアレンジ

加工食品としても活用されている『とよ坊かぼちゃん』
加工食品としても活用されている『とよ坊かぼちゃん』

豊郷町では、町の特産品として平成12年から坊っちゃんかぼちゃの栽培をスタート。手のひらサイズで使いやすく、収穫時期が7月下旬頃とあって、当初はお盆のお供えものに重宝されていました。"飾る"がメインだった坊っちゃんかぼちゃですが、"食べる"かぼちゃへと変わってきたのは平成23年頃。県内のホテルで坊っちゃんかぼちゃのスープがメニューに登場したのがきっかけでした。平成24年には一般公募で『とよ坊かぼちゃん』と命名。順調に出荷数は伸び現在では年間10,000個以上を生産しています。

「いきがい協働センター」では毎月3回地元のお母さんたちがカフェをオープン
「いきがい協働センター」では毎月3回、地元のお母さんたちがカフェをオープン

『とよ坊かぼちゃん』をたっぷり使った濃厚プリン
『とよ坊かぼちゃん』をたっぷり使った濃厚プリン

また、年間を通じて『とよ坊かぼちゃん』の美味しさを楽しんで欲しいという思いから、地元の生産者さんたちと豊郷町が一体となり加工品も販売。プリンや羊羹、蒸しどら焼きなど、地元のお母さんたちも加わり、商品化に取り組みました。豊郷町にある加工施設「いきがい協働センター」内では、月3回「ぼっちゃんカフェ」をオープン。『とよ坊かぼちゃん』を使った和風寒天やお好み焼きなど、地元のお母さんたちが考案した季節のランチメニューが楽しめます。(要予約)

柔らかくて繊細な『とよ坊かぼちゃん』、生産には様々な苦労も

『とよ坊かぼちゃん』を手に微笑む豊郷特産物振興協議会の会長 高橋康夫さん
『とよ坊かぼちゃん』を手に微笑む豊郷特産物振興協議会の会長 高橋康夫さん

『とよ坊かぼちゃん』の収穫時期は7月下旬。「とにかく雨がねぇ。天候に左右されるんですよ」と話す豊郷特産物振興協議会の会長 高橋康夫さん。「5年前は大雨が続いて、かぼちゃが水に浸かってね。ぜんぶパーよ」と渋い表情で話してくれました。『とよ坊かぼちゃん』の皮は、とても柔らかくて繊細。そのため、強い風が吹くとかぼちゃのつるが皮を引っ掻いて傷をつけてしまうと言います。

地面に直接つかないようひとつひとつマットを敷く作業も重労働
地面に直接つかないようひとつひとつマットを敷く作業も重労働

葉っぱをかき分けながら収穫します
葉っぱをかき分けながら収穫します

1株から10個ほど採れる『とよ坊かぼちゃん』。直接地面に底が触れると黄色く変色してしまうため、『とよ坊かぼちゃん』の下にひとつひとつマットを敷いていていくのですが、全体ではその数は合計5000~6000個!もう想像しただけでも気の遠くなる作業です。おまけに畑にはいたるところに雑草が生えているので、『とよ坊かぼちゃん』を探すのも一苦労。「でもね、草を生やしているのは手抜きじゃないよ~」と笑う高橋康夫さん。わざと日陰を作って光合成を調節し、表面の緑色がキレイに出るよう工夫しているのだそうです。

環境に優しい栽培方法で町を挙げて力強くサポート!

『とよ坊かぼちゃん』を応援する豊郷町産業振興課の課長土田さん(右)と角田さん(左から2番目)も生産者さんと一緒に
『とよ坊かぼちゃん』を応援する豊郷町産業振興課の課長土田さん(右)と角田さん(左から2番目)も生産者さんと一緒に

『とよ坊かぼちゃん』は農薬や化学肥料をできるだけ使わない、環境にやさしい方法で栽培されています。畑の"土"そのものにまでこだわって、堆肥とくず大豆をすき込んだ土づくりをするなど、その栽培方法は、滋賀県の「環境こだわり農産物(※1)」として認証も受けています。町を挙げて『とよ坊かぼちゃん』の生産を応援する豊郷町では、小学校や幼稚園などで『とよ坊かぼちゃん』の栽培が学習の一環として取り入れられつつあります。「一生懸命作ったぶんだけ、町を挙げて応援してくれる。『とよ坊かぼちゃん』が多くの人の手に渡ることを想像すると、私たちもヤル気が出ますね」と生産者の皆さんはハツラツとした表情で話してくれました。

環境こだわり農産物マーク
環境こだわり農産物の認証マーク

(※1)環境こだわり農産物とは?

  • ★化学合成農薬の使用量を通常使用量の半分以下
  • ★化学肥料(窒素成分)を通常使用量の半分以下
  • ★泥水を流さないなどびわ湖をはじめ環境にやさしい技術で栽培する
  • ★どのように栽培したかを記録する

「環境こだわり農産物」について詳しくはこちらから