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3月の特集 牛乳

大小さまざまな牧場が点在している滋賀県。酪農家は愛情をいっぱい注いで牛たちを育て、毎日、新鮮な牛乳を搾っています。もちろん今さら言うまでもなく栄養満点! 健康的な飲み物として、またジェラートなどの加工品として、滋賀ならではの牛乳が楽しめます!

牛乳を巡る旅【前編-牧場編】

量販店やコンビニ、学校の給食と、さまざまな場面に1年を通じて登場する牛乳ですが、それは酪農家さんによる日々のお世話があってこそいただけるもの。滋賀県内各地で生産される生乳は、徹底した品質管理のもと、牧場から牛乳を作る工場である乳業工場へと集められ、滋賀県内はもちろん、京都や三重、大阪へと出荷されています。 北海道や九州の牧場というとなんとなくイメージがわきますが、滋賀県で生乳が生産される牧場はどんなところなのかな? おいしさの秘密は? そこで実際に、酪農家さんのお仕事を見せてもらいに行ってきました。

お訪ねしたのは、近江八幡市安土町にある「中野デーリィファーム」さん。経営者の中野正一さんは滋賀県農協酪農部連絡協議会の会長さんでもあります。40頭の親牛と、育成中の牛25頭を飼育されています。

中野デーリィファーム
牧場の象徴とも言えるサイレージがそびえ立つ「中野デーリィファーム」
※サイレージ=乳牛の大切な飼料を貯蔵する施設

まず伺ったのは、おいしさの秘密。

「元気よくたくさんエサを食べてくれるのが、一番」と答えてくださる中野さん。

なんでも、おいしい生乳を生産するには、牛たちにストレスを与えないようにすること、「栄養・健康管理」が何より大切なのだとか。日々、牛たちの体調を見ながら、エサの量や栄養成分を工夫して与えています。

そして、牛舎も日頃から衛生的にして「病気を『持ち込まない』『持ち出さない』『発生させない』の三原則!」を徹底。

「うちは自家育成だから、外からの病気が入りにくいし、この牧場の気候・風土に適した牛が育っているかもね」。
※自家育成=牧場内で生まれた子牛を、親になるまで飼育して生乳を生産する方法

牛たち
中野デーリィファーム生まれ、中野デーリィファーム育ちの牛たち!

搾乳は朝と夕の1日2回。その間に、エサやりや牛舎の掃除など牛たちへのお世話が続きます。生き物を育てているので、1日も休みがとれないそうです。

「酪農っていうのは365日手がかかるからね」と中野さん。

お乳も、搾らなかったら乳房の病気になったりするとのことで、改めて酪農家さんと牛さんに感謝しなきゃと実感しました。


それにしても、生産される生乳の取扱いは本当に大変。

「お乳は搾った瞬間から"食品"だから」と中野さん。

肝心なのが品質を保つ温度管理。搾乳時に37度~38度程度だった生乳の温度を、30分以内に10度以下まで下げて保存されます。

また、乳搾りの前にも、何はなくても衛生管理。お湯でさらしたタオルで、乳頭周辺をていねいに拭います。

「拭ってあげると、乳の分泌を促すホルモンが出て、おっぱいが張ってくるんよ。でも慣れない人が来たりすると、ピタッとそのホルモンが止まったりする」牛たちは大変繊細で、周囲の変化を感じとります。

乳牛の乳頭 搾乳機

(左)乳頭は、大人の手のひらサイズの大きさ。(右)これが搾乳機 牛がいるところまで持って行って使います。

「牛たちが散らかしたエサもね、きれいに掃きこんで、整えてあげるとまた食べてくれる」と、中野さんが試しにやってみてくださいました。
するとなんということでしょう!
今まで興味なさそうだった牛たちが、一斉にエサを食べ始めました。「こうやってたくさんエサを食べてもらうんですよ」と中野さん。

中野さん 牛たち
(左)飼料を掃き込んでいく中野さん(右)おいしそうにエサを食べ出した牛たち
集乳車
牧場にタンクローリーの「集乳車」がまわってきました。搾られたフレッシュな生乳を集めて、乳業工場へと運びます。

牛乳は、「何も足さない。何も引かない」からこそ、快適で安心して牛たちが過ごせる環境づくりが重要で、結果として風味や味わいのよい牛乳の生産につながる。まるで酪農家さんが日々注ぐ牛への愛情が、そのまま牛乳のおいしさを作っているみたいですね。

さて、次は乳業工場に向かいます。

牛乳を巡る旅【後編-乳業工場編】

日本酪農協同株式会社滋賀工場
大津市にある日本酪農協同株式会社滋賀工場。JR湖西線の車窓から見える「毎日牛乳」の看板でおなじみ!

牧場からタンクローリーで集められた生乳は、乳業工場で処理され、おなじみの商品となって出荷されていきます。

滋賀県で搾られた生乳だけで作った「毎日びわこ牛乳」「毎日近江の牛乳」を製造する日本酪農協同株式会社滋賀工場工場長の松村信一郎さんにお話を伺いました。

生乳が毎日届いて「うちの工場も365日稼働ですよ」とにこやかに話し始める松村さん。
「毎日びわこ牛乳」「毎日近江の牛乳」には、湖西や湖南・甲賀の各地域から集まった生乳が使われています。

集乳車 タンク
(左)集乳車が乳業工場に到着!(右)集乳地の名前の札がかけられたタンクの後姿
滋賀県産牛乳
まるごと滋賀県産牛乳が詰められた2種類の商品

滋賀県産の生乳だけを使ったものはこの商品しかないのでしょうか?と伺うと
「生乳の生産量がある程度ないと、なかなか乳業工場で産地を分けて管理することができないんです」というお返事。

「毎日びわこ牛乳」の誕生には、滋賀県内を中心に店舗展開するスーパーが県内産にこだわったことが背景となっているそうで、「商品化の対応は、県内ではうちしかできなかったんですよ」と松村さん。

また、乳業工場でも肝心なのが、品質管理。検査や温度管理を徹底されています。

「牛乳を作っているのと同じぐらいの時間、製造ラインを洗浄殺菌していることになります」
とおっしゃるほど、徹底的に洗浄し衛生管理に気を遣っているのだそう。
「でも、飲み物なのでもちろん薬品などは使いません」。
洗浄にも、温水や無菌状態の殺菌水を使うのだとか。

そもそも、こちらの工場で生乳に手を加えるのは、脂肪球というものを均質化のため"つぶす"作業(ホモゲナイズ)と、加熱殺菌の作業だけ。
「パックに『種類別:牛乳』と書かれたものは、生乳に何も足さず何も引かないから、牧場からきたそのまんまなんです」。

パック詰め 200mlサイズの牛乳 出荷待ち

(左)加熱殺菌された牛乳がパックにどんどん詰められていく(中)200mlサイズのパックも製造 大津市の給食はこの牛乳
(右)出荷待ちのたくさんの牛乳!

「おいしさのためには、良質な生乳をいかに早く製品にするか。それに尽きます。そのままの風味が残って、それがおいしさにつながる」と松村さん。年中無休で稼働する工場で、牧場からの味わいを素早く商品にする。日々牛乳が気軽に手に入り、安心していただける背景にはこんな徹底管理があったのです。

滋賀県の牛乳、集めてみました!

滋賀県内には、独自に商品化して牛乳を販売している牧場や乳業工場がたくさんあります。スタッフが県内を走り回ったらなんと11メーカーの牛乳が集まりました!

滋賀県内の牛乳

集まった滋賀県内の21種類の牛乳!
後列左から「山田牧場(甲賀市)」「毎日牛乳(大津市)」「本間牧場(近江八幡市)」「田中牧場(東近江市)」「伊吹牛乳(米原市)」、前列左から「高木牛乳(近江八幡市)」「太田牧場(近江八幡市)」「荒川牛乳(近江八幡市)」「西牛乳(近江八幡市)」「古株牧場(竜王町)」「ホンマ牛乳(近江八幡市)」


北は伊吹山の麓の「ミルクファーム伊吹」がつくる伊吹牛乳。南は信楽にある「山田牧場」のノンホモ低温殺菌牛乳。そして中でも多いのが近江八幡市。なんと、6つの乳業工場が製造販売しています!

近江八幡市の牛乳
近江八幡市の牛乳だけでもこんなにたくさん!

先に登場いただいた滋賀県農協酪農部連絡協議会会長の中野さんにお伺いすると、滋賀県の酪農家は現在約70戸。平成23年度の生乳生産量は23,697トン(平成23年牛乳乳製品統計)!

全国の中では小さい生産地にも関わらず、これだけの種類の牛乳があるのは嬉しいことです。
これらの牛乳はそれぞれ現地を訪れると買うことができますが、中には、宅配用に限ったものもあります。

日本酪農協同株式会社の松村さんによると、牛乳ごとの微妙な味の違いはとらえにくいものの、産地の違いで出る「風味の差」は自ずと気づくことができるのだとか。

さらに新しい発見を求めて、飲み慣れた牛乳とはまた違う、各生産地の牛乳の味巡りをしてみるのも楽しみの一つにできそうです。
産地巡りの楽しさといえば、ジェラートやチーズなどの加工品に出会えるというチャンスも加わります。

最後に、今回伺った中野さんと松村さんから、おすすめの牛乳の飲み方をご紹介いただきました。
中野さんのオススメはなんと「芋焼酎の牛乳割り」!?「これがいいんよ!一度やってみて!」。
松村さんからは、定番の「カフェオレ」!ですが「コーヒーと、1:1かそれ以上牛乳を多めに入れて」、というこだわり。まろやかな牛乳たっぷりのカフェオレをお試しあれ!

飲み物やお料理、お菓子作りなど、多彩に楽しめる牛乳。
カルシウムたっぷりの牛乳を毎日飲むと、骨が丈夫になるだけでなく、ストレスや緊張感がほぐれて、ほっこりするという人もいます。真偽のほどは定かではありませんが、夜眠れない時のホットミルク、中野さんや松村さんのオススメの飲み方など、お気に入りのおいしい飲み方・食べ方を見つけて、もっともっと楽しみたいですね。

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