産地レポート

トップページ産地レポート5月の特集 近江の茶

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5月の特集 近江の茶

実は歴史がふか~い近江の茶。
県内の各産地には特色ある銘茶が勢揃い!まろやかな味わいが魅力の「かぶせ茶」もお薦めです。

深い味わいで勝負!"近江の茶"

辻さん
茶づくりの向上心にあふれた辻正樹さん

八十八夜を迎え、県内各産地からは新茶の便り。

さて早速。
深い緑の茶葉を急須に入れて、ぬるめのお湯を注ぎ、少し待つ。
ふわりと鼻をくすぐるやさしいお茶の香り・・・。
待っている時間まで味わいに感じるような、おいしいお茶。

そんなお茶の奥深さ、おもしろさを、近江の茶の一つ「土山茶」産地にて、土山町農業後継者クラブ会長を務める辻正樹さんにおうかがいしました。

茶畑
期待大の今年の新茶

「味わいが一番良いのは、やっぱり"一番茶"」、春になって最初の芽吹きでできる「新茶」はみずみずしい味わいが楽しめる。 「今年のお茶はどう?」と聞くと、「今年は特に良いと思いますよ!」と返ってきた。
冬は冷え込み、春暖かい、手ごたえを感じるよい気候だ。

シーズンの最初でもあり「この時期はベテランでも、緊張感がありますよ」とのこと。
そんな茶づくりにかける気迫の背景を聞くと、お茶は「茶畑の場所、製茶のたびごとに、ぜんぜん味が変わるから」と言うほど繊細なのだと言う。

"近江の茶"のこれからを担う若手の生産者も多い。切磋琢磨して、茶づくり談義は尽きないそう。「今はもっと飲んでもらえる工夫を考えているところ」。
試飲での意見集めや、新しい器の考案など、知恵をしぼっている。

実は歴史も深かった!"近江の茶"のあれこれ

いろいろなお茶
産地が違う煎茶と、土山茶の紅茶。煎茶は味も違うが色も違う

「滋賀県にお茶?」そう思うなかれ。
実は、"近江の茶"の歴史は深いのだ。

805年、比叡山延暦寺の開祖 最澄が唐から持ち帰った茶の実を比叡山麓の大津市坂本 日吉大社あたりにまいた。
今も日吉大社境内に残る「日吉茶園」。これが日本茶の始まりとされる。

県内でも南部を中心に、産地が広がる。それぞれに味わいも特徴的。
代表的なものを紹介しよう。
まず、県下最大の産地である「土山茶」。味が濃く、ニ煎目でも深い味わいが消えないと言う。
次は、日本の五大銘茶産地に数えられる「朝宮茶」。風味豊かで香り立つ。
幻の茶と珍重される「政所茶」は古来より「宇治は茶所、茶は政所」と言われ銘茶で知られる。

その他にも北山茶・水口茶など産地が多く、各地で緑茶以外にも地元茶葉を利用したジャムやお菓子などの加工品、紅茶など、新たな商品が開発されている。

琵琶湖かぶせ
県産のかぶせ茶を100%使用した「琵琶湖かぶせ」

そんな各地の茶を代表するかのような、「琵琶湖かぶせ」という商品が滋賀県茶業会議所から生まれた。
県産のかぶせ茶を選りすぐって作られる、県内唯一の「近江の茶」統一ブランドだ。

「かぶせ茶」とは?
刈入れ前の1~2週間程度の間、日差しを遮る覆いをかけて作られる。まろやかな味わいの、ちょっと贅沢なお茶のこと。
生産が盛んな土山では、最盛期には黒い覆いがかかった茶畑が広がるという。

近江の茶
近江の茶で一味違う一服の時を

そんなおいしいお茶をもっとおいしくいただくには?
辻さんに聞いた。
「肝心なのは湯の温度。上質の緑茶は熱湯で入れたら苦くなるので、ぬるめの湯でゆっくり待つ。そうしたら香りもよく、味わいもまろやかになる」。沸騰させたお湯を70℃ぐらいに冷ます。これが最大のポイント。
反対に、番茶やほうじ茶などは熱湯を入れると香りが立って良いのだとか。

さて、これから一服。
お茶の味わいに浸りましょうか。

あわただしい日々でも、その茶を飲む一瞬は夢心地。
それぞれの産地の味わいを探究できる"近江の茶"。
食卓でできる「お茶の旅」に出ても良いかもしれません。

味わいレポート「琵琶湖汽船株式会社」さんから

県内各産地の"近江の茶"。
親しみやすい地元の茶として、また滋賀のお土産に。各所で目にするものの、まだまだその良さは知られていないかも!?

もっと"近江の茶"の良さを知ってもらいたいと、県内3か所で滋賀の特産を集めた常設市「湖の駅」を展開し、琵琶湖を贅沢に楽しむ遊覧船運行などを行われている「琵琶湖汽船株式会社」の皆さんに、県下統一商品の「琵琶湖かぶせ」を味わっていただきました。

お仕事の合間に、中村さん、田村さん、山本さん、山田さんの4名が一服...。
さて、「琵琶湖かぶせ」のお味はどうだったでしょう。

お茶を淹れる
お茶にこだわりある山本さんが入れてくださいます

第一声は「きれいな茶葉!」という驚きから。
一煎目「良い香り」「おいしい!」好評の声が上がる中、山本さんが「お茶は温度も大事だけど、煎じる時間も肝心!もっと味わいが変わるはず!」とじっくりと入れなおすと...、
他の3名の声が変わりました。

「甘い!」
「さっきとぜんぜん違う...!」
「初めに飲んだのより、もっと旨みがあるね」
「お茶の苦さもあるけど...甘みがあって、後にほのかに苦さが残る感じ。ぜんぜん味わいが変わった」
「お茶もトロッとしたみたいに見えない?」
「このお茶って、どういうお茶?かぶせ茶ってどんなお茶?」

お茶を淹れる
「マイ湯飲み」持参です
お茶を味わう
味わいは...

「かぶせ茶」の特徴「甘みと旨み」に驚きの中村さん、田村さん、山田さん。 琵琶湖汽船随一のお茶好きという山本さんも「良いお茶は、こうやって旨みが加わった味がするんや」と味わいの話に花が咲きます。 他の3名は、実は急須で入れたお茶は久しぶりだったとか。 ご感想はいかがでしょう?

「今はペットボトルのお茶が増えたしね。緑茶に親しみは出たけど、このお茶みたいに、本当においしいお茶って接する機会が減ったかも」 「実際に良いお茶をいただいたら、ビックリする。どういう味が良いものかってすぐわかるね」
「もっとお茶のブームにならないのかな?新茶解禁!って。ワインみたいに、新茶も"ヌーボーできました!"ってできるんじゃない?」
「さっきの山本さんみたいに、"茶バリスタ"とか"お茶奉行"がコツを教えてくれると嬉しいね~」

話は尽きず。
おいしいお茶から、その商品が生まれた物語や、作り方、いただく器のこだわりにまでも話題が広がりました。

「本当においしいと、どういうところで育っているか、どんな風景かまで気になる。もっと知りたいって、思うね!」

息抜きのひとときに、小さな驚きと和みを運んだ"近江の茶"「琵琶湖かぶせ」。
みなさんもこだわりの飲み方を見つけてみてください。

近江の茶の「おいしが うれしが」のお店

滋賀県産のお茶や茶加工品を取り扱っている販売店・飲食店をご紹介します。なお、仕入れ等の状況により取り扱っていない場合があります

  • かたぎ古香園〔販売店〕
    住所:甲賀市信楽町宮尻1090 電話:0748-84-0135
  • 北川製茶〔販売店〕
    住所:野洲市乙窪112 電話:077-589-3025
  • 草津あおばな館〔販売店〕
    住所:草津市下笠町3203  電話077-568-5000
  • グリーンファーム〔販売店〕
    石山店 住所:大津市石山寺3丁目7-10 電話:077-533-0288
    堅田店 住所:大津市真野2丁目7-41 電話:077-572-3817
  • 近江銘茶 かねしょう 武久商店〔販売店〕
    住所:東近江市東中野町4-18 電話:0748-22-0387
  • (有)茶のみやぐら〔販売店〕
    住所:甲賀市信楽町下朝宮39-1 電話:0748-84-0405
  • (有)茶城藤田園〔販売店〕
    住所:甲賀市信楽町上朝宮540-1 電話:0748-84-0123
  • 中川誠盛堂茶舗〔販売店〕
    本店 住所:大津市中央三丁目1-35 電話:077-522-2555
    長等店 住所:大津市長等2丁目9-11 電話:077-525-6156
  • 中山製茶(有)〔販売店〕
    住所:大津市中庄2丁目1-58 電話:077-523-2335
    お店から一言:5月上旬近江茶の初市がおこなわれ一番摘みの最盛期を迎えます。当店では滋賀県の各地で収穫された新茶を吟味精選しいち早くお客様にお届けいたします。
    5月1日より15日 春の新茶まつり実施中。お買い上げのお客様にスピードくじ
    5月19日、20日 千団子まつり(三井寺)内にて新茶のご紹介と販売(製品の特性上、悪天の場合は中止させていただきます。ご了承ください)
  • (株)マルヨシ近江茶〔販売店〕
    (株)マルヨシ近江茶
  • (有)満田製茶〔販売店〕
    住所:蒲生郡日野町西大路2121 電話:0748-52-0277
  • (有)南製茶〔販売店〕
    住所:野洲市乙窪122 電話:077-589-2158
  • 山本園〔販売店〕
    本店 住所:甲賀市信楽町上朝宮275-1 電話:0748-84-0014
    西武大津店 住所:大津市におの浜2丁目3-1 電話:077-521-3332
  • 滋賀特産品振興企業組合〔販売店〕
    住所:甲賀市信楽町江田976-1 電話:0748-82-1011
    お店から一言:煎茶のジャム・焙じ茶のジャム・焙じ茶ドレッシング・茶塩・八味とうがらし・茶っぱ・煎茶茶糖・焙じ茶茶糖・牛肉用スパイス・豚肉用スパイス・鶏肉用スパイス・シーフード専用スパイスなどすべて近江の茶を使用した加工品を取り扱っています。
  • びわ湖の恵み本舗〔販売店〕
    住所:守山市勝部5-3-29 電話:077-598-1882
    お店から一言:近江茶を使った商品、お茶の葉の佃煮「お茶々」(おちゃちゃ)と「生キャラメル クリーム 土山緑茶」販売開始いたしました。
  • 京懐石 清元 (有)清元楼〔飲食店〕
    住所:大津市雄琴6-1-35 電話:077-578-1340
    お店から一言:すべてのコースのご飯物が「近江の新茶ご飯」です。
  • 近江牛と地元野菜 ダイニングMOO〔飲食店〕
    住所:大津市浜町9-28 電話:077-522-5080
    お店から一言:素材選びからこだわるダイニングMOOでは、ご来店頂く皆様に、創業安政八年、中川誠盛堂(大津市)直焙煎近江ほうじ茶をご提供させて頂いております。また、アフターには、かなりレアもの、滋賀県産紅茶をご用意しております。

取材地周辺の観光情報

  • 頓宮大茶園
    頓宮大茶園

    県下最大の産地「土山茶」の大茶園。

    詳しくはコチラ

  • 道の駅 あいの土山
    道の駅 あいの土山

    東海道49番目の宿場町土山町にあります。

    詳しくはコチラ

  • あいの森ふれあい公園 青土ダムエコーバレイ

    ダム湖畔にある青土ダムエコーバレイでは、キャンプやログハウス風のコテージなどで大自然を満喫できます。

    詳しくはコチラ

  • 滋賀県立陶芸の森
    滋賀県立陶芸の森

    小高い丘にあって柔らかい曲線を持つ陶芸館は、信楽焼をはじめ世界の作品が数多く展示されています。

    詳しくはコチラ

  • 信楽伝統産業会館
    信楽伝統産業会館

    遠く天平時代の焼物から近世のものまで年代別に信楽焼が集められ、展示され、一日で信楽焼の歴史がわかるほか、常時現代作品の展示を催しています。

    詳しくはコチラ

  • 信楽観光ボランティア協会

    信楽伝統産業会館、ろくろ坂、窯場坂を散策しながら、信楽焼の窯元や伝統工芸士の工房、登り窯、ギャラリーを訪ね歩きます。

    詳しくはコチラ