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ワカサギ

<ワカサギ> ~訪ねた人 「堅田漁業協同組合」副組合長 今井さん~

琵琶湖の新しい幸。唐揚げや南蛮漬けにすると旨いですよ!

堅田漁港でワカサギを手にする今井副組合長。琵琶湖の漁歴約45年のベテラン。

約20年前から琵琶湖で繁殖

「ワカサギ」といえば冬の魚。氷に開けた穴から釣り糸を垂らし、寒さに震えながら釣りを楽しんでいる。滋賀県でも琵琶湖の北にある小さな湖、余呉湖では昔からワカサギ釣りが盛んで、桟橋にずらりと並ぶ釣り人の姿が冬の風物詩にもなっています。
ところで、このワカサギ、もともと琵琶湖には棲んでいなかった魚。その由来は不明ですが、平成21年にはアユに続き、琵琶湖の総漁獲量の2位を占めるまでになっています。そのようなワカサギについて、堅田漁協の副組合長である今井さんにお聞きしました。

「いつ頃から獲れ始めたのでしょうか?」
「20年前くらいからでしょうか、突然増えてきました。最初は他の魚に混ざって網に少し入っているくらいだったのですが、あれよあれよという間に増えて...。うちの堅田漁協でも、アユに続き2番目に多く獲れる魚になっています。ワカサギがいないと仕事にならない。助かっていますよ」

琵琶湖漁業の総漁獲量の2位を占めるワカサギ。

漁期は11月下旬~1月

琵琶湖大橋近くの西岸に位置する堅田漁協は、40ほどある琵琶湖の漁協の中で、有数の大きな漁協。取材にうかがった日も朝早くからワカサギ漁へ10数隻の船が出ていました。

「漁は11月下旬頃から始まり、1月終わり頃まで続きます。朝3時か4時頃には漁に出かけ、11時頃に帰港。その後昼の1時くらいにはセリにかけられます。
ワカサギは北湖を中心に琵琶湖のほぼ全域に生息していますが、堅田漁協の組合員は、沖島の手前あたりを中心に操業しています。」

琵琶湖のワカサギは、2月頃に琵琶湖に流れ込む川の底の砂利に産卵。概ね3、4月頃に孵化、その後琵琶湖に下り、翌年の1月頃には15cmくらいにまでなるのだとか。

「琵琶湖のワカサギは、魚体がよそに比べて大きくなるのが特徴といえますね。でも、てんぷらにするなら小さめのほうが骨もやわらかくていいけどね(笑)。大きくなると塩焼きなどに利用される。わが家では南蛮漬けをよく作りますよ」

沖(ちゅう)びき網で漁獲

お話をうかがっているうちに11時になったので、港に出てワカサギ漁から帰ってくる漁師さんの船を迎えることにしました。ちなみに琵琶湖の漁法は獲る魚、獲る時期によって変わり、この時期のワカサギ漁は「沖(ちゅう)びき網」という漁法で行われます。これは底びき網の一種で、長いロープのついた網を機械でひき上げて魚を獲る、というもの。琵琶湖ではワカサギは水深40~50mくらいに生息しているそうです。

(左)11時頃になるとワカサギ漁に出ていた船が次々に帰ってくる。
(右)漁を終えた船の上で沖びき網を手にする今井さん。

次々と帰ってくる船には、確かに漁を終えた網と太いロープがグルグル巻かれていました。
「どうやった?」と声をかける今井さんに、
「あんまりようないなあ。朝、波が出とったし」と漁師さん。
「ワカサギ漁は、晴れて、風があるほうがいいと私らは言っています。でも今朝は琵琶湖の波が高かったので風がちょっと強すぎたのかもしれんね」と今井さん。
「ワカサギは逃げるのが速い魚なんで、漁は"手の早い"者のほうがいいんです。キビキビと早くロープを巻いて網をひき揚げることができる者がいい。あんまり年寄り向きの漁じゃないかもしれんね(笑)」

桟橋におろされたトロ箱の中には獲れたばかりのワカサギが。銀色にキラキラ光る姿は「キレイ!」と思わず歓声がもれるほど。1月に入ると、子持ちのワカサギが増え、取引価格も上がるのだそう。

漁獲されたワカサギは昼過ぎからセリにかけられ、出回る。

最後に、今井さんの奥さま手作りのワカサギの南蛮漬けと小鮎の佃煮、鮎の仔魚である氷魚(ヒウオ)の釜揚げをいただきました。どれもおいしく、南蛮漬けは甘酸っぱい上品な味わい。あらためて琵琶湖の魚のおいしさを再発見!

「私はもう40年以上漁師をしていますが、海の魚より琵琶湖の魚のほうが旨いと思いますよ。フナの造りは甘くてそりゃもう、絶品。
ただ、一般の人が新鮮な湖魚を食べる機会が減っている。食生活の変化もあって各家庭で湖魚料理を作らなくなった。
もっともっと琵琶湖の魚を食べてほしいですね」

自分で調理するのが大変、と感じる人には、湖魚販売店がおすすめ。季節ごとの湖魚が調理され、少量からでも買えるので、みんなでおいしい琵琶湖の魚をもっともっと食べましょう!

今井さんの奥さま手作りのワカサギの南蛮漬け。
少し甘めが今井家伝統の味。

(取材日2011年12月6日)

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